現物市場とは? また現物取引を行う方法
目次
はじめに
現物市場とは?
現物取引とは?
取引所 vs OTC
現物市場と先物市場の違いとは?
現物取引と証拠金取引の違いとは?
バイナンスでの現物取引方法
現物市場のメリットとデメリット
まとめ
現物市場とは? また現物取引を行う方法
ホーム記事
現物市場とは? また現物取引を行う方法

現物市場とは? また現物取引を行う方法

初心者
Published Jul 21, 2021Updated Nov 11, 2021
9m

概要

現物取引では、仮想通貨やFX、株式や債券などの金融商品や資産を直接購入、売却しています。多くの場合、資産のデリバリーは即座に行われます。現物取引は、取引所またはOTC (トレーダー同士の直接取引) の現物市場で行われます。現物市場での取引では、自分が保有している資産のみを使うことができ、レバレッジやマージンはありません。

現物取引を行う中央集権型取引所では、規制準拠、セキュリティ、カストディなどを管理し、取引を容易にしています。その代わりに、取引所は取引手数料を取ります。分散型取引所は、同様のサービスをブロックチェーンのスマートコントラクトを通じて提供しています。


はじめに

現物取引は、シンプルな投資、取引方法です。仮想通貨投資で最初に経験するのは、例えば、BNBを市場価格で購入し、保有するような、現物市場での現物取引でしょう。

現物市場は、仮想通貨、株式、コモディティ、FX、債券など、さまざまな資産クラスに存在します。こう言われると、現物市場や現物取引について、思っている以上に身近なことがわかるでしょう。NASDAQやNYSE (ニューヨーク証券取引所) のように、最も有名な市場のいくつかは現物市場です。


現物市場とは?

現物市場とは、一般に公開された金融市場で、資産が即座に取引される市場のことです。買い手は、法定紙幣または他の交換媒体を用いて売り手から資産を購入します。資産の受け渡しは即時に行われることが多いですが、取引の内容によっては即座に行われない場合もあります。

現物市場は、トレーダーが前払いで支払いを行うため、現金市場とも呼ばれます。現物市場には様々な形態がありますが、多くの場合は取引所と呼ばれる第三者が取引を仲立ちしています。また、店頭取引(OTC)で他者と直接取引することもできます。OTCについては後で紹介します。


現物取引とは?

現物トレーダーは、市場で資産を購入し、その価値が上昇することを期待し、それによって利益を得ようとします。現物トレーダーは、価格が上昇した後に、現物市場で資産を売却して利益を得ることができます。また、現物トレーダーは、ショートすることも可能です。ショートする時は、市場で金融資産を売却し、価格が下がってからその資産を買い戻します。
資産の現在の市場価格を現物価格と言います。取引所で成行注文を利用することで、その時点で最も条件の良い現物価格で、保有している資産を直ちに購入または売却することができます。ただし、注文が約定されている間に市場価格が変化しないという保証はありません。また、希望している価格に、その注文を満たすだけの出来高がない場合もあります。例えば、現物価格で10 ETHの売買を行いたい場合、その価格だと3ETHしか市場にない場合、残りの7ETH分は別の価格のETHでその注文を満たす必要があります。
現物価格はリアルタイムで更新され、売買注文が一致すると変動します。OTCでの現物取引は仕組みが違います。OTCでは、注文板がなくても、他の相手から直接、一定の金額と価格での売買を行えます。 
資産に応じて変動はありますが、通常は即時またはT+2日以内に受渡が行われます。T+2は、取引日の2営業日後を意味します。以前は、株や債券などの資産の場合は、現物の証書を譲渡する必要がありました。また、外国為替市場では、以前は現金、電信、預金などで通貨を送金していました。デジタル化されたシステムによって、現座ではすぐに受渡されます。しかし、仮想通貨市場は24時間365日稼働しており、たいてい即時取引が可能です。P2P取引 またはOTCでは、デリバリーに時間がかかる場合があります。


取引所 vs OTC

現物取引は、取引所でしか行えないものではありません。ほとんどの個人は取引所で現物取引を行いますが、第三者を介さずに直接取引することもできます。前述の通り、こういった売買はOTC取引と呼ばれています。それぞれの現物市場には、それぞれの独自性があります。

中央集権型取引所

取引所には、分散型と中央集権型の2種類があります。中央集権型取引所では、取引所が仮想通貨 、外国為替、コモディティなどの資産の取引を管理します。取引所は、市場参加者間の仲介者として、また、取引された資産のカストディアンとして機能します。中央集権型の取引所を利用するには、取引したい法定通貨や仮想通貨を自分のアカウントに入金する必要があります。
本格的な中央集権型取引所はユーザーの取引がスムーズに行われるようにしないといけません。その他にも、規制遵守、 KYC (本人認証)、公正な価格設定、セキュリティ、顧客保護などの責任を負っています。その代わり、取引所は、取引、上場、およびその他の取引活動に対する手数料を請求します。このため、取引所は、十分なユーザー数と出来高があれば、強気相場 (ブル)弱気相場 (ベア) のどちらでも利益を得ることができます。

分散型取引所

分散型取引所 (DEX)も、仮想通貨で最もよく見られる取引所の種類です。DEXは、中央集権型取引所と同じ基本的なサービスの多くを提供しています。しかし、DEXはブロックチェーンの技術を活用して、売買注文をマッチングさせます。ほとんどの場合、DEXのユーザーはアカウントを作成する必要がなく、DEXに資産を移す必要もなく、ユーザー同士が直接取引を行うことができます。
取引は、トレーダーのウォレットからスマートコントラクトを通じて直接行われます。スマートコントラクトは、ブロックチェーン上の自己実行可能なコードです。多くのユーザーは、標準的な取引所よりもプライバシーと自由度が高いDEXの体験を好んでいます。しかし、これにはトレードオフがあります。例えば、KYCやカスタマーサポートがないと、万が一問題が発生した場合に困ることになります。
バイナンスDEXのように注文板モデルを採用しているDEXもあります。さらに最近では、自動マーケットメイカー (AMM)モデルを採用したDEXとして、Pancake SwapUniswapなどが有名です。AMMもスマートコントラクトを使用していますが、価格を決定するために異なるモデルを実装しています。買い手は、流動性プールの資金を使用して、自分のトークンを交換します。プールの資金を提供する流動性プロバイダーは、プールを利用する人に対して取引手数料を請求します。

OTC

他にも、取引所外取引と呼ばれるOTC取引という種類もあります。金融資産や有価証券は、ブローカー、トレーダー、ディーラーの間で直接取引されています。OTC市場での現物取引では、電話やインスタントメッセージなど、複数の通信手段を使って取引を行います。

OTC取引には、注文板を使用する必要がないというメリットがあります。時価総額の小さいコインのような、出来高が小さく、流動性が低い資産を取引する場合、大きな注文はスリッページを引き起こす可能性があります。取引所では、希望の価格では注文を完全に満たすことができないことが多く、注文を完了するためにはより条件が劣後する価格の注文を取らざるを得なくなります。そのため、大口のOTC取引の方が価格条件が良い場合が多いです。

BTCのような流動性の高い資産でも、注文が大きすぎるとスリッページが発生することは覚えておいてください。そのため、BTCの大口注文を行う場合でも、OTC取引の恩恵を受けることができます。


現物市場と先物市場の違いとは?

現物市場では、ほぼ即時に取引ができることはすでに述べました。一方、先物市場では、将来の日付で支払われる契約があります。この契約では、買い手と売り手は、将来的に一定量の商品を特定の価格で取引することに合意します。決済日に契約が満期を迎えると、買い手と売り手は資産を引き渡すのではなく、通常は現金決済を行います。

先物及びオプション契約の詳細については、 先物契約とは?をご覧ください。


現物取引と証拠金取引の違いとは?

証拠金取引 は、一部の現物市場で利用できますが、現物取引ではないです。前回述べたように、現物取引では、すぐに資産を完全に購入し、受渡しを行う必要があります。これに対して、証拠金取引では、第三者から金利付きで資金を借りることができるため、より大きなポジションを持つことができます。そのため、証拠金取引では資産を借りることによって、トレーダーはより大きな利益を得られる可能性が増えます。ただし、潜在的な損失も増幅されるので、初期投資額のすべてを失ってしまわないように注意する必要があります。


バイナンスでの現物取引方法

バイナンスでの現物取引は、バイナンスアカウントを開設した後、簡単にはじめることができます。バイナンスのクラシック取引ビューを見て、現物取引の方法を見ていきましょう。バイナンスのホームページ の[トレード]にカーソルを合わせて[クラシック]をクリックすると、取引プラットフォームが表示されます。


これで、クラシックトレーディングビューが表示され、いくつかの異なるセクションが表示されます。


1. このオプションでは、現物市場で取引したい仮想通貨のペアを選択することができます。法定通貨で仮想通貨を購入できるだけではありません。現物市場では、さらに他のコインや トークン同士での取引を行うこともできます。
2. ここでは、カスタマイズ可能な過去の価格データを持つチャートビューが表示されます。ウィンドウに内蔵されている「TradingView」では、多彩なテクニカル分析ツールを利用することができます。基本的なTradingViewのテクニックを学びたい方は、こちらのガイドをご覧ください。
3. 注文板には、その資産のすべての未約定の売買注文が価格順に並んでいます。緑の注文は買い注文、赤の注文は売り注文です。資産を購入するために成行注文を出すときは、提示されている最も低い価格の注文から約定されていきます。その価格では、注文の全てを約定できない場合は、次に低い 売り指値 の価格で注文が約定していきます。
4. このセクションでは、買い注文または売り注文を作成します。その時点でのデータは、[現物]セクションで掲載されています。その下では、[Limit(指値)]、[Market(成行)]、[Stop-limit(逆指値)]注文が選択できるようになっています。
ここでは、最もわかりやすい現物取引である「成行注文」を見てみましょう。今回は、$1,000 (BUSD) 分の Bitcoin (BTC) を購入したい場合を例に説明していきます。まずは、BTCを購入するために「合計」に1,000と入力し、「BTCを購入」をクリックしてください。取引所は直ちにBUSDを売り手に引き渡し、買い手は$1,000 (BUSD) 相当のBTCを受け取ります。
 


現物市場のメリットとデメリット

どのような種類の取引や戦略にも必ず長所と短所があります。これらを理解することで、リスクを減らし、より自信を持ってトレードすることができます。現物取引は、よりシンプルなものの一つですが、やはり長所と短所があります。

現物市場のメリット

1. 価格は公開されていて、市場の需要と供給にのみ変動します。この点は、複数の基準価格を持つことが多い先物市場とは対照的です。例えば、バイナンスの先物市場における マーク価格 は、資金調達率、価格指数、移動平均 (MA) 基準などの他の情報から導き出されます。伝統的な市場の中にも、マーク価格が金利の影響を受けるものもあります。
2. 現物取引は、ルール、報酬、リスクがシンプルなため、簡単に参加することができます。BNB に現物市場で$500を投資する場合、エントリーと現在の価格に基づいて、簡単にリスクを計算することができます。
3. 購入後は何もする必要はありません。デリバティブや 証拠金 取引とは異なり、現物取引では、清算されることや追証を心配する必要はありません。いつでも好きな時に取引を開始、終了することができます。また、短期的な取引をする場合を除き、投資先を常にチェックする必要もありません。

現物市場のデメリット

1. 取引内容にもよりますが、現物市場では、保有するのに不便な資産を保有しないといけない場合があります。商品はその最たる例でしょう。原油を現物で購入する場合は、資産の現物を受け取らなければいけません。仮想通貨では、トークンやコインを保有することで、それらを安全に保管する責任が生じます。先物デリバティブ取引の場合は、これらの資産のエクスポージャーを得ることはできますが、決済は現金で行われます。

2. ある種の資産、個人、企業にとって安定性は重要です。例えば、海外で事業を展開したい企業は、外国為替市場で外貨を入手する必要があります。現物市場に頼っていたら、支出計画や収入が非常に不安定になります。

3. 現物取引で得られる利益は、先物取引や信用取引に比べてはるかに小さいです。先物や信用取引ならば、同じ額の資金でもレバレッジをかけることで、より大きなポジションの取引を行うことができます。



まとめ

現物市場での現物取引は、特に初心者の方にとっては、最も一般的な取引方法の一つです。直感的な取引方法ですが、そのメリット、デメリット、潜在的な戦略など、詳しく知っておくことは必ず役に立つでしょう。基本とは別に、自分の知識を健全なテクニカル分析ファンダメンタル分析センチメント分析と組み合わせることも検討すべきでしょう。