マーケットサイクルの心理
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マーケットサイクルの心理

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Published Oct 14, 2019Updated Apr 29, 2021
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市場心理とは?

市場心理とは、市場の動きは参加者の感情的な状態を反映している、もしくはそれに影響されているという考えです。市場心理学は、経済的決定に先行する様々な要因を調査する学際的な分野である行動経済学の主要なトピックの1つです。

多くの人達は感情が金融市場の動きの裏にある主要な原動力と信じています。そして、投資家全体の感情がに変動によって、いわゆる心理的な市場サイクルが発生しています。

要約すると、資産の価格に関連する投資家とトレーダーの全体としての感情が市場の感情です。市場の感情がポジティブで、価格が継続的に上昇しているとき、上昇トレンド(よくブルマーケットと呼ばれる)があると言われます。その逆はベアマーケットと呼ばれていて、価格が下落している時に使われます。

そのため、この感情は個人の主観と金融市場内の全トレーダーと投資家の感情によって構成されています。また、市場参加者の全体的な感覚の平均と考えることも可能です。

しかし、この市場参加者は集団なので、1つの意見が完全に支配的になることはないです。市場心理理論に基づくと、変動する全体の市場感情に反応して資産の価格は継続的に変動する傾向にあります。そうでなければ、成功するトレードを行うのははるかに難しくなります。

実際、マーケットが上昇する時はトレーダーの関心と自信が高まったためと思われます。ポジティブな市場の感情は需要を増加させ、供給を減少させます。同様に、増加した需要はさらなる関心をもたらすでしょう。同時に、強力な下落傾向はネガティブな感情を生み出し、需要が減り、利用可能な供給が増加します。

 

マーケットサイクルと感情

上昇トレンド

全ての市場は拡大と縮小のサイクルを繰り返します。市場が拡大フェイズ(ブルマーケット)の時、楽観、信念、そして強欲の風潮があります。たいてい、これらが強力な買いをリードする主要な感情です。

市場サイクルの間に周期的、遡及的な効果が見られるのは非常に一般的なことです。例えば、価格が上昇すればするほど感情はよりポジティブになり、それによって市場価格はどんどん上昇します。

強力な強欲と信念が、金融バブルとなってしまうような方法でマーケットを上回ってしまう時があります。そのようなシナリオでは、多くの投資家は非合理的になり、実際の価値を見抜くことができなくなり、市場が右肩上がりで伸び続けることだけを信じて資産を買うようになります。

市場が右肩上がりを続けるにつれて、煽りは激しくなり、人々はより強欲になり、さらに利益を得たいと思います。価格が上昇しすぎると、ローカルトップが形成されます。一般的に、これは金融リスクが最大となるポイントと見なされます。

資産が徐々に売却されるため、価格が横ばいとなる場合もあります。この段階はディストリビューションステージとして知られています。しかしながら、サイクルには明確なディストリビューションステージがなく、頂点に達したらすぐに下落トレンドが始まる場合もあります。

下落トレンド

マーケットのトレンドが転換し始めたら、多くのトレーダーが上昇トレンドが終わったことを信じるのを拒否するため、幸福な雰囲気はすぐに独善的に変化します。価格は下落し続けるため、市場の感情は急速に、不安や否定、パニックなどを含んだ、ネガティブなものになります。

不安に関しては、投資家が価格が下落している理由を疑問視し始め、その不安がすぐに否定の段階に至る瞬間と考えることができるでしょう。否定の期間は受け入れられないという感覚が特徴的です。多くの投資家が売るには遅くなりすぎたか、すぐに市場が再び上昇すると信じているため、損をしているポジションをホールドし続けます。

しかし、価格がさらに下落すると、売り圧はさらに強くなります。この時には、恐怖とパニックによって、たいてい市場では投げ売り(ホルダーが諦めて底に近いところで資産を売却すること)が発生します。
徐々に変動が小さくなって、市場が安定化し出すと、下落トレンドは終わります。たいてい、希望と楽観によって再び上昇し始める前に横ばいとなる期間が発生します。このように価格が横ばいとなる時期は蓄積ステージとして知られています。

 

投資家の市場心理の活用方法

市場心理の理論が有効と仮定した場合、トレーダーはこの理論を活用することによって、より好ましいタイミングでのエントリーとエグジットができます。市場における大衆心理と好機は逆行しているため、買い手にとっての最高の投資のタイミングは、たいていの場合ほとんどの人が希望を失っていて、市場価格が低い時です。その反対に、金融リスクが最も高くなる瞬間はたいてい市場参加者の大半が自己陶酔、かつ自信過剰になっている時です。

そのため、投資家やトレーダーの中には、心理サイクルのどのステージに市場がいるのかを見極めるために、市場心理を読もうと試みる人もいます。理想的には、彼らは市場の心理を活用して、パニック(より低い価格)で購入し、市場が強欲(より高い価格)になっている時に売却します。ただし、実際はこれらの最適なポイントに気づくのはほとんどの場合非常に難しいです。底(サポート)のように見えたところを割ってしまい、さらに価格が下落する場合もよくあります。

 

テクニカル分析と市場心理

過去の市場の変動からマーケットサイクルを見つけ、市場心理が全体的にどのように変化したのかを確認するのは簡単なことです。過去のデータを分析することで、どのようなアクションと決断が最も利益をもたらすかが明確になります。

ただし、市場がこれからどのように変化していくかを理解することははるかに難しく、次に何が起こるかを予測することはさらに困難です。多くの投資家はテクニカル分析(TA)を使って、市場がどこに向かっているのかを予想します。
ある意味では、テクニカル分析用の指標は市場の心理状態を判断するために使えるツールと言えます。例えば、相対力指数(RSI)指標は、強いポジティブな市場感情によって、資産が買われ過ぎていることを示唆する場合があります。
MACDはマーケットサイクルの様々な心理状態を特定するために使うことができるかもしれない指標の1つです。簡単に説明すると、MACDのライン間の関係は市場の勢いが変わるところを示す場合もあります。(例 買い圧がだんだん弱くなっているなど)

 

ビットコインと市場心理

2017年のビットコインのブルマーケットは、市場心理が価格にどのように影響するかが明確な例です。1月から12月までで、ビットコインの価格は約900$から最大20,000$まで上昇しました。上昇中、市場はどんどん強気になりました。何千もの新しい投資家が参入し、ブルマーケットの熱狂がどんどん広がりました。FOMO、過剰な楽観主義、そして強欲が価格の上昇が止まるまで、どんどん押し上げました。
トレンドの転換は2017年末から2018年初頭に始まりました。それに続く調整によって、後から参入してきた投資家は多額の損失を出しました。たとえ、下落とランドが確立した時でも、間違った自信と自己満足によって多くの人はホールドし続けました。 
数か月後、投資家の自信が最も低くなったため、市場心理はとてもネガティブとなりました。FUDとパニックによって、頂点付近でビットコインなどを購入した投資家の多くは底で売却したため、大きな損失を被りました。本質的に価格が変わっても技術は同じですが、ビットコインに対して幻滅した人もいました。

 

認知バイアス

認知バイアスは人が非合理的な意思決定を行う場合によく見られる思考パターンです。これらのパターンは個人トレーダーと市場全体の両方に対して影響を与えます。以下にいくつかの例を挙げます。

  • 確証バイアスとは、自分の考えを裏付ける情報を過大評価し、それに反する情報は無視してしまうことです。例えば、ブルマーケットでは投資家はポジティブなニュースに対してより強い関心を持ちますが、悪いニュースやマーケットが転換しようとしている兆候は無視します。

  • 損失回避とは、たとえ得られるものが同等、もしくはより大きい場合でも、得ることよりも何かを失うことをより恐れるという人間の傾向です。言い換えると、損失による痛みは何かを得ることによる楽しみを上回るということです。このせいで、トレーダーは絶好の機会を逃したり、市場が投げ売りしている時にパニックで売ってしまいます。
  • 授かり効果とは、自分が保有しているという理由だけで、それを過剰評価してしまう傾向のことを言います。例えば、投資家がとある仮想通貨のバッグを保有している場合、その投資家はバッグを保有していない投資家と比べて、その通貨の価値を信じやすいです。

 

まとめ

大半の投資家とトレーダーは市場価格とサイクルに対して、市場心理が影響を持っていると考えています。たしかに、市場心理によるマーケットサイクルは多くの人が知っていますが、それを見分けることは難しいです。1600年代のオランダで発生したチューリップマニアから1990年代のドットコムバブルまで、たとえ熟練したトレーダーでさえ、全体的な市場心理と自分の投資をわけることは難しいです。投資家は市場心理を理解するだけなく、自分自身の心理とそれがどのように意思決定プロセスに影響しているかを理解するという難しいタスクに取り組まなければいけません。