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要点
ミームコインとは、ミーム(文化の中において行動やアイデアなどが人から人へと広がっていく現象)にをテーマに生み出された暗号資産であり、Bitcoin(BTC)やEther(ETH)などの主要暗号資産よりもボラティリティが高い傾向にあります。
ミームコインは、その低い価格、コミュニティ主導の性質、ソーシャルメディアにおける活発なマーケティング、著名人からの支持により、人気が高まることが多くなっています。
また、インフレ型のトークノミクス、高いボラティリティ、ラグプルの可能性の高さにより、大きなリスクをもたらすものでもあります。
はじめに
ミームコインは暗号資産市場を構成する重要な要素であり、その移り変わりの激しい予測不可能な価格変動で知られています。同コインは、インターネットミームやジョーク(ネタ)から着想を得たものであり、ソーシャルメディアおよびオンライン上のコミュニティにおいて人気を集めています。この記事では、ミームコインの概要、相当な人気を集める理由、ミームコインに関連する潜在的なリスクについて解説していきます。
ミームコインとは?
ミームコインとは、インターネットやソーシャルメディア上のミームやジョーク(ネタ)から着想を得た暗号資産を指します。初めて発行されたミームコインは、Dogecoin(DOGE)です。2013年にパロディ要素の強いコインとして発行されたDOGEは、「かぼす」という名前の柴犬をモチーフにした、人気の高いDogeミームから着想を得たものとなっています。
ミームコインのボラティリティは、高い傾向にあります。主にコミュニティ主導で運営されている同コインは、オンラインコミュニティからの支持およびFOMO(乗り遅れることへの恐怖)により、一夜にして人気を集める場合もあります。一方、トレーダーの関心が次なるミームコインへと移った場合、その価格が突如暴落する可能性もあります。
ミームコインが持つ典型的な特徴の1つとして、供給量が膨大または無制限であることが挙げられます。例えば、Shiba Inu(SHIB)の総供給量は1,000兆トークンであり、DOGEでは最大供給量の設定はありません。ミームトークンには通常、コインバーンの仕組みがないため、供給量が膨大になるとその価格は比較的低くなっていきます。
ミームコインが人気を集める理由
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの際、個人投資家がインフレに対するヘッジの方法を模索していたことにより、暗号資産市場は成長を遂げました。誇大広告も相まって、ミームコインはブームとなり、その時価総額と種類が増加しました。この現象は、Redditコミュニティにより同銘柄の価格が急騰することになったGameStop(GME)やAMC Entertainment(AMC)などの一連の「ミーム株」が話題となったことにより、一段と勢いを得ることになりました。
これに触発され、Dogecoin(DOGE)の価格を吊り上げてGMEに相当する暗号資産にしようと考える人が現れました。こうしたトレンドに併せ、テスラCEOであるイーロン・マスクなどの著名人からの支持もあり、DOGE価格は大幅に上昇しました。
ミームコインの盛り上がりは、トレーダーがDOGEと同じ成功の軌跡を辿ることを期待し、Shiba Inu(SHIB)をはじめとする他のミームコインに注目し始めたことで加速しました。ミームコインは一般的にわずか数セントと低価格であるため、個人投資家が同コインに惹き付けられました。低価格であることからトレーダーは数千〜数百万のトークンを保有できるため、ETHやBTCなどの主要な暗号資産の一部を保有するのとは異なる感覚が得られます。
また、ミームコインの盛り上がりは、コミュニティおよび市場センチメントによっても推進されました。ミームコインは、人気の高いインターネットミームから着想を得た遊び心によるものであり、そのコミュニティに向けた内輪向けジョーク(ネタ)として機能していることが多くなっています。ミームコインの購入は、こうしたコミュニティへの支援を表す方法となり得ます。
ミームコインの概念が浸透し制度的になったことにより、2024年にはミームコインの人気が大幅に上昇しました。特に時価総額上位の6つのミームコイン(DOGE、SHIB、PEPE、WIF、FLOKI、BONK、2024年5月時点)に連動するミームコインインデックスがVanEckより発売されたことが、この上昇トレンドの主な要因となりました。
VanEck社のミームコインインデックスにより、ミームコインの認知度が高まったほか、同インデックスが資産管理分野におけるベンチマークとなることで、ファンドがミームコイン投資に参入し、同ベンチマークを上回る利益を出そうとする動きが加速しました。また、Bloombergなどのチャンネル内でミームコインのティッカーを取り扱うことにより、ミームコインに関する情報が普及するとともに、同コインの取引活動が活発化しました。
暗号資産コミュニティにおけるミームコインの重要性
Dogecoin(DOGE)をはじめとするミームコインの多くは、公平な配布モデルに基づき発行されておりり、プレマイニングやプロジェクト創設者に対する大量の早期配布などは行われずにローンチされました。こうした経緯は、オープンなアクセスおよびコミュニティ主導の成長に価値を置く多くの暗号資産ファンの見解と一致するものとなっています。ミームコインが分散型の性質に基づき発行されていることにより、コミュニティメンバーは保有と参加の意識を抱くようになります。
一方、すべてのプロジェクトが同じ原則に従うわけではありません。ミームコインの中にはプレマイニングされたものもあり、大半のトークンが一般販売前にクリエイターや早期投資家に配布される場合もあります。一握りの個人または集団がミームコインの供給量の大部分を管理できてしまうため、透明性・公平性に関する懸念につながります。例えば、Shiba Inu(SHIB)などのコインは、クリエイターが考案した配布戦略に従っているため、同コミュニティ内では賛否両論が見られています。
分散型のミームコインは、暗号資産分野の基本となる分散型およびコミュニティ主導の原則を体現したものであるため、コミュニティ内で好意的に受け取られる傾向にあります。一方、中央集権型ミームコインは、市場操作および不公平な慣行の潜在的なリスクにより、批判の的となりがちです。
ミームコインへの投資に関する潜在的なリスク
トークンエコノミクス
はじめに、ミームコインのトークノミクスには懸念点があります。例えば、Bitcoinには独自のブロックチェーン、よく練られたホワイトペーパー、確立されたエコシステムが存在するほか、デフレ型となっています。
一方、大抵のミームコインはインフレ型であり、最大供給量の設定がありません。また、そのエコシステム、ユースケース、基盤は、同ミームコインコミュニティメンバーによるジョーク(ネタ)に基づくものとなっています。
ボラティリティ
ミームコインはコミュニティ主導であることに重きを置いており、時価総額の大きな暗号資産と比較して一般的にボラティリティが高くなっています。同コインの価格は、著名人の発言やFOMOにより急騰する可能性がある一方、コミュニティの関心が次のミームコインに移った場合には急落する可能性もあります。
ラグプル
ミームコイン市場において、ラグプル(開発者がプロジェクトを放棄し、投資資金を持ち逃げすること)は深刻なリスクとなっています。あいにく、この種の詐欺はよくあるものであり、年間を通して複数回発生しています。
ミームコインのラグプルの例
以下に、ミームコインのラグプルの例をいくつか挙げます。
SQUID:同名のNetflixの番組に着想を得て2021年に発行されたミームコインであり、番組の人気が高まるにつれ、同コインの人気も急上昇しました。ところが、開発チームがプロジェクトにおいてラグプルを行い、ユーザーは資金を失うこととなりました。
BALD:2023年7月、BALDミームコインの開発者が、Coinbaseのレイヤー2ネットワークであるBase上で同コインの流動性をすべて引き出すラグプルを行いました。これにより、同トークンは無価値となりました。
MetaSwap:2024年の初め、MetaSwapトークンにおいてラグプルが発生し、投資家は多額の損失を被ることになりました。同トークンの開発者が突然流動性を引き出したため、投資家の手元に残されたトークンが無価値となりました。
URF:2024年3月、URFミームコインのチームが45万米ドルのプレセール後に姿を消し、投資家の手元に残されたトークンが無価値となりました。ボクサーでありソーシャルメディアインフルエンサーでもあるBryce Hall(ブライス・ホール)を起用して宣伝を行った同チームは、トークンローンチの24時間後に雲隠れしました。
ミームコインへの投資の際のリスクを軽減する方法
ミームコインへの投資は、そのボラティリティおよびコミュニティ主導の性質により、投機性・リスクが高いものとなります。一方、こうしたリスク軽減のための戦略も存在します。
自己責任による慎重な調査(DYOR):ミームコインへの投資前に、該当するプロジェクトについて調査を行うことが重要となります。時間の許す限り、プロジェクトチーム、その目標、ホワイトペーパー、ロードマップ、全体的なコミュニティの雰囲気について調査するようにしてください。
トークノミクスの理解:ミームコインの供給力学に細心の注意を払うことが大切です。供給量が無制限または極端に多いコインはインフレ圧力に直面する場合があることから、コイン価格の切り下げにつながるおそれがあります。トークン配布およびバーンやステーキングなどの仕組みに関する理解により、コインが経済的に長期間存続できるか否かに関する洞察を得られます。
ポートフォリオの多様化(ダイバージェンス):1つのミームコインにすべての資金を投資するのは避けるようにしてください。ダイバージェンスにより、リスクを幅広い資産に分散できます。Bitcoin(BTC)、Ether(ETH)、SOL、BNBなどの高い実績を持つ暗号資産を投資ポートフォリオに組み入れ、バランスを保つことをご検討ください。
最新情報の入手:ミームコインは、ソーシャルメディアにおけるトレンドやニュースの影響を強く受けています。投資先に関連する最新の開発およびアップデートに着目するようにしてください。Googleアラートなどのツールの活用、関連するソーシャルメディアグループへの参加、暗号資産分野で影響力を持つ人物のフォローなどにより、最新情報を入手できます。
ストップロス注文の設定:ストップロス注文を設定し、ミームコインの価格が特定の水準を下回った場合、自動的に売却を行う仕組みの導入をご検討ください。ストップロス注文により、大きな損失を防げます。
衝動的な意思決定の回避:損失許容な範囲内でのみ投資を行い、FOMO(取り残される恐怖)などの感情に突き動かされた衝動的な意思決定を行うのは避けるようにしてください。ミームコインに関する誇大広告により、衝動的に流されて購入してしまう場合があります。熱狂に巻き込まれるのではなく、一歩離れて状況を見て、独自の調査に基づき同コインへの投資の価値を評価するようにしてください。
ミームコインのラグプルの回避方法
流動性の確認:健全な流動性プールは、暗号資産の安定性に不可欠となります。関心のあるミームコインにロックされた流動性があることをご確認ください。流動性がロックされていれば、同コインの開発者が簡単に資金を引き出せないことを意味します。Unicryptなどのサービスで、流動性のロック状況の確認が可能です。
スマートコントラクトの調査:技術的なノウハウをお持ちの場合、該当するプロジェクトのスマートコントラクトをご確認ください。探すべき危険信号として、開発者がトークンを無制限にミントできる機能や、巨額の資金を送付できる機能などが挙げられます。または、定評のあるセキュリティ企業(CertiKやHackenなど)による、サードパーティの監査結果を参照してください。
チームの確認:チームが匿名であることは危険信号となります。暗号資産分野では匿名を用いることが一般的ではあるものの、詐欺師にとっては跡形もなく消える際に好都合となります。同業界において検証可能な実績を持つ、透明性・信頼性の高いチームが率いるプロジェクトを探すようにしてください。
コミュニティ参加の評価:強力かつ活発なコミュニティは、正当なプロジェクトの兆候となり得ます。Discord、Telegram、X(旧Twitter)などのプラットフォーム上におけるコミュニティに参加し、その雰囲気や活動状況をご確認ください。偽のフォロワーまたは異常な数の宣伝が投稿されている場合、警戒を怠らないようにしてください。
プロジェクトのロードマップの確認:正当なプロジェクトには通常、その開発目標やタイムラインなどが詳細に記載されたロードマップが存在します。該当するプロジェクトのロードマップと実際の進捗を照らし合わすことで、約束を果たしているかを確認できます。非現実的な約束を公言していたり、プロジェクトマイルストーンに遅れがちな場合、疑わしいと言えます。
危険信号の調査:その技術やユースケースなどの実質的な情報を提供せず、誇大広告や著名人からの支持に過度に依存しているプロジェクトにはご注意ください。限定オファーや高利回りの確約などの押し売り的な販売戦術は、多くの場合詐欺の兆候と言えます。
以上のガイドラインに従い、健全なレベルの懐疑心を忘れずにいることで、ラグプルなどの潜在的な詐欺を回避しながらミームコインに投資できるようになります。暗号資産、特にミームコインへの投資には大きなリスクが伴うため、必ず損失許容な範囲内で投資を行うようにしてください。
人気の高いミームコインの概要
2024年6月時点で、ミームコインの時価総額は約630億米ドルに上っています。CoinMarketCapのデータによると、DOGE、SHIB、PEPE、WIF、BONK、FLOKIが時価総額上位6つのミームコインとなっています。
Dogecoin (DOGE)
Dogecoin(DOGE)は、2013年にソフトウェアエンジニアのBilly Markus(ビリー・マーカス)とJackson Palmer(ジャクソン・パーマー)により開発されました。柴犬のミームから着想を得たDOGEは、広い普及を見据えたジョーク(ネタ)に基づく暗号資産となることを目指していました。Litecoin(LTC)のフォークであるDOGEは、同コインと同じくプルーフ・オブ・ワーク(PoW)メカニズムを採用しており、最大供給量の設定はありません。
DOGEの概要は、Dogecoinの概要をご覧ください。
Shiba Inu (SHIB)
Shiba Inu(SHIB)は、DOGEのライバルであり、「Dogecoinキラー」と呼ばれることもよくあります。また、SHIBの名前は日本の犬種に由来しています。同コインは、2020年8月に匿名の開発者であるRyoshi(リョーシ)により開発されました。DOGEとSHIBの主な違いとして、SHIBの供給数は1,400兆トークンに限定されており、このうちの50%がバーンされた上で慈善団体に寄付されていることが挙げられます。また、SHIBのエコシステムには、分散型取引所(DEX)、NFTアートインキュベーター、NFT、NFTゲームなどがあります。
SHIBおよび同エコシステムについては、Shiba Inu(SHIB)の概要をご覧ください。
Pepe(PEPE)
Pepe(PEPE)は、人気の高いインターネットミームのキャラクターであるカエルのペペ(Pepe the Frog)から着想を得たミームコインです。2023年4月にローンチされたPEPEは、そのユーモラスかつどこか懐かしさを感じさせる魅力により、瞬く間にインターネット文化のファンの人気を集めました。PEPEの循環供給量は、420兆となっています。
Dogwifhat(WIF)
Dogwifhat(WIF)は、2023年後半のローンチ以来、大きな関心を集めているミームコインです。ユーティリティに軸足を移した他のミームコインとは異なり、Dogwifhatは純粋なミーム中心のトークンとなっています。
FLOKI(FLOKI)
FLOKI(FLOKI)は、イーロン・マスクの愛犬である柴犬から着想を得たミームコインです。ミームと現実世界のユーティリティを融合するビジョンのもとローンチされたFLOKIは、NFTマーケットプレイス、NFTコレクション、ステーキング機能を提供するエコシステムを備えたプロジェクトに発展しました。
Bonk(BONK)について
Bonk(BONK)は、犬をテーマにしたSolanaブロックチェーン上のミームコインです。2022年にローンチされたBONKは、その総供給量の50%がSolanaコミュニティにエアドロップされたことで関心を集めました。
Milady Meme Coin(LADYS)
Milady Meme Coin(LADYS)は、2023年5月にローンチされました。Milady NFTコレクションから着想を得て開発されたLADYSでは、ミームコインと人気が日増しに高まるNFTの融合を目指しています。LADYSの総供給量は、888兆となっています。
ミームコインの購入方法
DOGE、SHIB、PEPE、WIFをはじめとする人気の高いミームコインは、バイナンスなどの暗号資産取引所で購入できます。比較的知名度が低いミームコインに関しては、DEXで取引可能です。DOGEを例に、購入方法を解説します。
1. バイナンスアカウントにログインします。続いて、トップバーの[トレード](取引)から、現物市場ページを指定します。
2. 画面右側の検索バーに「DOGE」と入力すると、利用可能な取引ペアの一覧が表示されます。ここでは、DOGE/FDUSDの例を用いて解説します。「DOGE/FDUSD」をクリックすると、取引ページが開きます。
3.[現物]ボックスまで下にスクロールし、お好みの注文の種類を指定します。この例では、成行注文を指定します。購入希望のDOGEの数量を入力し、[DOGE 買い(購入)]をクリックして注文を確定します。注文が約定すると、バイナンス現物ウォレット内に購入済みのDOGEが表示されます。
まとめ
日々新しいミームコインが登場し、トレーダーがDOGEやSHIBがもたらした利益を再現しようと目論む中、いかなるミームコインに投資する際も自己責任による慎重な調査(DYOR)が重要となります。ミームコインは、他のデジタル通貨に比べて変動が激しいことを覚えておいてください。暗号資産の取引または投資には、高いリスクが伴います。大部分がコミュニティにより運営されているミームコインには予期せぬ暴落が発生する可能性があるため、損失許容な範囲を超えた投資は決して行うべきではありません。
参考文献
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