著者 Nick Chong
概要
YFIはYearn.financeプロトコルのネイティブ仮想通貨で、このプロトコルの今後の方向性を決める時に、ユーザーが保有量に基づいて投票ができるガバナンストークンです。
イントロダクション
分散型金融、またはDeFiは、プロトコルによって提供される利回りが爆発的に増えているため、驚異的に成長しています。プロトコルがどのような方向で開発したいかをホルダーに決定できるようにする、ガバナンストークンの導入がこの急成長の大きな理由の1つです。ガバナンストークンはDeFiプロトコルの分散化において、重要なステップです。
ガバナンストークンブームに乗って、Yearn.financeは2020年7月にYFIをローンチしました。YFIはすぐに仮想通貨業界から多くの注目を集め、1か月で3ドルから3万ドルまで価格が上昇しました。
Yearn.financeとは?
YFIについて見ていく前に、前提知識としてYearn.finance、もしくはyEarnについて学びましょう。
ローンチ後すぐに大成功したため、Cronjeはユーザーに新しいプロダクト群を提供するためにプロトコルを徹底的に見直しました。
主な機能
YFIの歴史
7月までは、Yearn.financeはかなりニッチでした。2020年初頭に悪用され、3月に仮想通貨市場が暴落したので、多くのユーザーはそれ以降新しいプロトコルを使うのに躊躇するようになっていました。
Mediumの記事では、YFIには本質的な価値がないと書かれているにも関わらず、このコインは市場で大人気となりました。Balancerプールで3ドルでトレードが開始された後、この仮想通貨はYearn.financeのガバナンスに参加できることに価値を感じる投資家によって急騰し、何百万ドルもの資金が入金されるようになりました。
Yearn.financeの分散化
YFIはYearn.financeへの入金を増やし、関心を集めるために重要でしたが、別の目的もありました。それは、ユーザーにプロトコルの開発とコントロールを分散化することです。
ファーミングメカニズムによって、100ドルを持っていても、100万ドルを持っていても、同じ時間とコストでYFIを獲得できます。つまり、誰でもYearn.financeに影響を与えるために、YFIを獲得できるということです。
これまでに行われた決定には、マーケッターや開発者の採用、Valutsへの特定の戦略の追加などがあります。
YFIが重要な理由
多くの人はこれまでのYFIが経験してきた値動きに注目しますが、最も重要なのはYFIがプロトコルがどのように普及にインセンティブを与えることができるかの新しい可能性を示したことです。YFIのローンチは、同じ金額を支払えば、誰でもコインの発行に参加できたので、ビットコインのローンチ以来、最も公平なものだったと言う人もいます。
課題
もちろん、YFIに課題がないというわけではないです。Andre Cronjeは長い間Yearn.financeとYFIで中心的な役割を果たしてきたので、投資家は彼の一挙手一投足に注目しています。つまり、もしもAndreが休んだり、いなくなったりしたら、多くの人はこれをYFIにとっての大きな打撃と考えるかもしれません。そのため、(少なくともある程度は)このキーパーソンを中心にプロジェクトがまだ中央集権的だと主張する人もいます。
このリスクは今年の初め、AndreがDeFi分野から離れたいと発言したと報じられたことで、さらに強調されました。YFIの価格は、プロジェクトが止まるという恐れによって、大きく値下がりしました。
Yearn.financeに新しいチームメンバーが参加しているので、このAndreプレミアムのトレンドは徐々に関連性を失いつつあります。Andreの影響力なしで、分散型ガバナンスが発展していけば、もはやこのリスクを心配する必要はなくなるかもしれません。
まとめ
YFI のローンチは、仮想通貨プロジェクトがコインを配布する方法として、業界全体に新しいシフトをもたらしました。早期のユーザーにインセンティブを与えることで、プロジェクトは迅速な普及とコミュニティの成長を実現できます。これは、投資に金銭的または感情的な利害関係を持っている人は、そのプロジェクトが成功するために、自分ができることをするという、自己資本投資のコンセプトと関連しています。
Yearn.financeは、ユニークな分散型金融プロダクトを構築している、興味深いプロトコルです。Yearn.financeは開発者やマーケティングのチームの採用しているので、未来は明るいように見えますが、このプロジェクトがイーサリウムDeFi分野で長期的な成功を得られるかは時間が経たないとわかりません。