Polygon (MATIC) とは?
目次
はじめに
Polygon (MATIC) とは?
Polygonの仕組み
MATICトークンユースケース
Polygonブリッジ
サイドチェーン vs Rollup
まとめ
Polygon (MATIC) とは?
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Polygon (MATIC) とは?

Polygon (MATIC) とは?

中級者
Published Jun 25, 2021Updated Sep 9, 2021
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概要

現状、マルチチェーンこそが仮想通貨業界の進んでいくべき方向と考えるのが合理的です。1つのブロックチェーンが全ての独占するのではなく、多数のネットワークが相互に接続され、それぞれが独自の特性、信頼の前提、パフォーマンス、セキュリティを確保するようになるでしょう。

PolygonはEthereumと互換性のあるスケーリングソリューションのフレームワークを提供することで、このマルチチェーンの未来に向けて現実を前進させることを目指しています。PolygonのProof of Stakeサイドチェーンは、Bitcoinと仮想通貨コミュニティ全体で注目を集めています。この記事では、このプロジェクトについて詳しく説明します。


はじめに

待望のEthereumスケーリング・ロードマップがようやく実現しはじめ、Polygonプロジェクトもその一環として行われています。

ブロックチェーン間通信プロトコル (Inter-Blockchain Communication Protocol: IBC) により、同プロトコルを実装した異なるブロックチェーン間でメッセージをやり取りできるようにするという、Cosmosとその「ブロックチェーンのインターネット化 (Internet of blockchains)」というビジョンについてご存知の方も多いでしょう。

Polygonのビジョンはこれに似ていますが、このコンセプトをEthereumエコシステム用に特化させています。Polygonのアイデアは、開発者が簡単にEthereumとの互換性のあるスケーリング・ソリューションやスタンドアローンのブロックチェーンをローンチすることができるというものです。

このプロジェクトはMatic Networkとしてはじまりましたが、その後スコープがレイヤー2 (L2) ソリューション単体からネットワーク上のネットワークとして広がったため、Polygonにリブランドしました。


Polygon (MATIC) とは?

PolygonはEthereumと互換性のあるブロックチェーン・ネットワークとスケーリング・ソリューションを作るためのフレームワークです。Polygonは単一のソリューションというよりはプロトコルのようなものです。だから、開発者がEthereumと互換性のあるネットワークを作成できるようにするPolygon SDKは、このエコシステムの主要な提供物の1つといえます。

それでも、Proof of Stake (PoS) サイドチェーンであり、Polygonエコシステムで最初に稼働したプロダクトの1つであるPolygon Networkについては聞いたことがあるかもしれません。サイドチェーンとは、基本的に、他のブロックチェーンと接続しているパラレルチェーンのことです。

サイドチェーンにはいくつかのメリットがあり、その中でもトランザクションスループットの向上と低い手数料の2つが有名です。Polygon Networkを利用したことがあれば、Ethereumに比べて信じられないほど高速で、非常に低コストであることをご存知でしょう。とはいえ、この性能を実現するためには、いくつかのトレードオフがあります。これらについては後ほど紹介します。

PolygonはEthereum仮想マシン (EVM) をサポートしているため、Ethereum上の既存アプリケーションを比較的簡単に移植することができます。これのおかげでユーザーは、前述の高い処理能力と低い手数料だけで、Ethereum上と同じ体験をすることができます。

しかし、Polygonのユーザーとしては何ができるのでしょうか?当然のことながら、Ethereum上と同じようなことが、より安く、より速くできます。Aave、1inch、Curve、そしてSushiなどの最も人気のあるDeFiアプリの中にも、すでにPolygon上でデプロイしているプロジェクトが多数あります。しかし、QuickSwapやSlingshotなど、他には存在しないネイティブアプリケーションもPolygon上にあります。

Polygonの開発は、創業チームであるJaynti Kanani、Sandeep Nailwal、Anurag Arjun、そしてMihailo Bjelicが中心となっています。


Polygonの仕組み

Polygonフレームワークは、Ethereumと互換性のあるネットワークとして、セキュアチェーンとスタンドアロンチェーンの2つの主要なタイプをサポートしています。セキュアチェーンの例としてはRollupがあり、スタンドアローンチェーンの例としてはサイドチェーンがあります。

セキュアチェーンは、メインチェーンのインフラに依存しているため、独自のセキュリティモデルを採用する必要がありません。一方、スタンドアローンチェーンの場合は独自にセキュリティを確保する必要があります。つまり、セキュアチェーンはより高いレベルのセキュリティを提供する傾向があり、スタンドアロンチェーンは特定のニーズに対してより柔軟に対応できるということです。

では、Polygon Networkはどうでしょうか? Polygonのサイドチェーンは、独自のバリデーターセット (バリデータープール) によって保護されており、随時Ethereumにチェックポイントを提出する必要があります。そのため、サイドチェーンは「純粋な」レイヤー2ソリューションではないという人もいます。純粋なレイヤー2ソリューションは、Ethereumのセキュリティを活用するのではなく、独自でセキュリティを確保する必要があります。これは非常に重要な違いで、後でRollupについて説明する時に、もう少し詳しく話します。

将来的には、Polygonプラットフォームは、ゼロ知識 (zk) Rollup、Optimistic Rollup、そしてValidumチェーンを含む、幅広いスケーリングソリューションをサポートしようとしています。このようなスケーリングソリューションが増えれば、開発者はイノベーティブなアプリケーション、ソリューション、商品を開発するためのツールをさらに獲得することになります。また、MetaMaskのような、既存のEthereumツールやウォレットに対しての互換性があることも期待できます。


MATICトークンユースケース

リブランドにも関わらず、MATICトークンの名前はそのままです。MATICを使用して、ネットワーク上のガス手数料を支払ったり、ガバナンスに参加したりすることができます。MATICトークンをステークしたい場合は、バイナンスアーンやPolygonチームが作成したMaticウェブウォレットで行ってください。


Polygonブリッジ

Polygonブリッジは他のブロックチェーンネットワークからPolygonサイドチェーンに資産を持ってくるための最も便利な方法です。ブリッジングトランザクションはメインネット上で行われるため、メインネットのトランザクション手数料をお支払いする必要があることにご注意ください。

しかし、この手続きが完了すると、Polygonが提供する低い手数料と高速トランザクションが可能になります。他にも、一部の中央集権型取引所 (CEX) がPolygonネットワークへの直接出金機能を提供しています。


サイドチェーン vs Rollup

一般的に、Rollupと同じようにサイドチェーンをレイヤー2ソリューションと呼べるかについては、疑問があります。この違いは、マルチチェーンの世界をナビゲートし、さまざまなトレードオフを検討したい場合には、理解しておく必要があります。 

それらはすべて、信頼性の前提、セキュリティ、パフォーマンス、ユーザーと開発者の体験が異なります。セキュアチェーンのRollupは、Ethereumのセキュリティの多くを受け継いでいるため、最も有望なレイヤー2スケーリングソリューションの1つです。

しかし、Polygonサイドチェーンのような他のソリューションではそのようにはいきません。安全ではないというわけではないですが、悪意を持った参加者が結託した場合、(少なくとも理論上は)ネットワークをコントロールできます。もちろん、そのような事態が起きる可能性は限りなくゼロに近いですが、念のためにリスクとして紹介しています。サイドチェーンを使用するには、ネットワークのバリデーターだけでなく、2つのチェーン間のブリッジングをする際にも、信頼することが前提となります。

また、他のトレードオフについても考える価値があります。ETHメインネットを使用している場合、トランザクション手数料が高く、トランザクション時間も長くなりますが、同時に最強のセキュリティが保証されているので、トランザクションで要求される信用は最小限となります。

Rollupを使用することで、より少ないトランザクション手数料で、ETHメインネットと同等のセキュリティを確保しながら、より短い時間でトランザクションを実施できます。サイドチェーンを使用する場合は、Rollupと比べても手数料は数分の1で済みますが、セキュリティ面ではETHメインネットと同等は望めません。

それでは、どちらのスケーリングソリューションの方が優れているのでしょうか。簡単に答えることができる問いではないです。あらゆるスケーリングソリューションは、ある特定のユースケースに適しており、お互いに補完し合うことで、非常に有用なエコシステムを構築することができます。

例えば、ソーシャルメディアの評価システムには、膨大な量のトランザクション処理能力と超低価格のガス手数料が必要ですが、重要なインフラではないため、最高レベルのセキュリティ保証は必要ないかもしれません。この場合、セキュリティを犠牲にしてでも、パフォーマンスを向上させることには価値があるかもしれません。

一方で、国家規模の資産をブロックチェーン上に保管するには、可能な限り最高のセキュリティが要求されます。特に、高速でのトランザクション処理の必要がないのであれば、高いセキュリティのためにお金を払う価値はあるでしょう。

開発者やプロジェクトチームは、それぞれのメリットとデメリットが全体像の中でどのようにフィットするかを常に試し、研究しています。さまざまな業界のさまざまなユースケースに対応するスケーリングソリューションがあるかもしれないので、スケーラビリティについて考える価値はあります。


まとめ

Polygon (MATIC) は、Ethereumと互換性のあるブロックチェーン・スケーリング・ソリューションを作成するためのフレームワークです。Polygonネットワークは、PoS (Proof of Stake) サイドチェーンで、高速・低コストの取引やEVMとの互換性を備えていることから、多くのプロジェクトで採用されています。

Polygonは今後、zk Rollup、Optimistic Rollup、スタンドアロン型ブロックチェーンなど、より多くのスケーラビリティソリューションを提供することを目指しており、これによってEthereumのレイヤー2のエコシステムがより活性化し、相互に接続されるようになるでしょう。