Solana(SOL)とは
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Solana(SOL)とは

Solana(SOL)とは

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公開済 May 27, 2021更新済 Jan 22, 2025
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免責事項:この記事は、学習目的でのみ提供しています。バイナンスを通じて提供される情報は、投資や取引に関する助言や推奨ではありません。バイナンスは、お客様の投資判断に対して責任を負いません。金銭的なリスクを取る前に、専門家のアドバイスを受けてください。こちらで紹介しているプロダクトは、お住まいの地域ではご利用いただけない場合があります。

要点

  • Solana(ソラナ)は、2017年に構想され、2020年にローンチされたブロックチェーンプロジェクトである。低額なトランザクション手数料と高スループットを特徴とする。

  • ソラナは、プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)と呼ばれる革新的なシステムを採用した。PoHはコンセンサスメカニズムではなく、トランザクション順序の検証時間を大幅に短縮する手法である。

  • あらゆる種類のアプリケーションに対応できるように設計されたソラナは、多くの分散型マーケット、ゲーム、NFTの拠点であるほか、最も人気の高いブロックチェーンエコシステムの1つになっている。

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ソラナとは

ソラナとは、分散型アプリケーション(dApp)をホストし、高速かつ低コストのトランザクション処理を実行するために設計されたブロックチェーンプラットフォームです。

2017年にAnatoly Yakovenko(アナトリー・ヤコベンコ)氏により設立され、2020年にローンチされたソラナは、その速度とスケーラビリティで世界中の何百万人もの開発者とユーザーを獲得しています。ソラナはその高スループットにより、ゲーム、金融、マーケットプレイスなどのリアルタイム処理が必要なアプリケーション開発において、とりわけ優れた選択肢になっています。

2025年1月時点で、ソラナは暗号資産プロジェクトの時価総額で1,200億米ドルを超え、上位5位に入っています。

ソラナの仕組み

ソラナは、高スループット、高速トランザクション、低手数料を実現する数々のイノベーションを実装した、第3世代のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)ブロックチェーンです。

  • ソラナ仮想マシン(SVM):トランザクションとスマートコントラクトを処理する実行環境。

  • 並列化:複数のスマートコントラクトを同時に実行し、随時大量のトランザクションを処理可能。

  • プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH):トランザクションにタイムスタンプを付与してから、ブロックチェーンに追加する手法で、処理時間を大幅に短縮できる(詳細は後述)。

  • タワーBFT:従来のビザンチン・フォールト・トレランス(Byzantine Fault Tolerance、ビザンチン障害耐性)・システムを最適化したプルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)。

  • Turbine(タービン):ネットワークの同期を維持するブロック・プロパゲーション(伝搬)・プロトコル。

  • Gulf Stream(ガルフストリーム):バリデーター(トランザクションを承認するコンピューターノード)が必要とするメモリー容量を最小限に抑えるトランザクション転送プロトコル。

  • トークン拡張機能:トークンプログラムにあらかじめ組み込まれた豊富な機能一式であり、複雑な動作とユースケースに対応可能。

ソラナでは、これらの機能の併用により、0.4秒のブロックタイムと、数千TPS(1秒あたりのトランザクション)を処理可能な高性能ネットワークを実現しています。ちなみに、ビットコインのブロックタイムは約10分、イーサリアムのブロックタイムは約15秒です。

プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)と並列化処理により、ソラナネットワークは、分散型のパーミッションレスなグローバルブロックチェーンでありながら、中央集権型システムに匹敵するパフォーマンスを実現しています。

プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)

ほとんどのブロックチェーンでは、トランザクションの正確な順序を把握するのは困難です。これは、ネットワーク内のすべてのコンピューター(ノード)に通知する共有クロックが存在しないことが理由となっています。ソラナでは、時計と同様に機能する、プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)と呼ばれるブロックチェーンに内蔵された独自のシステムを採用し、この問題を解決しています。

プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)では、ハッシュ化と呼ばれるプロセスを経て、イベントのタイムラインが作成されます。ハッシュ化により、データが特殊な数式で処理され、一意の文字と数字の文字列が生成されます。PoHでは、以下の処理が繰り返し実行されます。

  1. データの一部(トランザクションなど)は、ハッシュの数式で処理されます。

  2. 結果は次のハッシュ化の入力値として使用されます。

  3. この処理がチェーンで繰り返され、イベントの正確な順序を「表す」一連のシーケンスが作成されます。

このチェーンにおける各手順はタイムスタンプに相当するものであり、これにより、他のイベントとの関連付けとイベント発生の時刻の証明が行われます(例:最初に実施されたトランザクションの証明)。チェーンが作成されると、これを変更することはほぼ不可能となり、安全性と信頼性が確保されます。

つまり、PoHは、イベント間における時間の経過を証明する暗号化シーケンスを生成することで機能します。これは、SHA-256アルゴリズムを使用してデータをハッシュ化する継続的な処理により実現され、各ハッシュ出力値は次のハッシュ入力値として使用されます。作成された一意のシーケンスは、ブロックチェーントランザクション順序と時間間隔を反映したものになります。

プルーフ・オブ・ヒストリーのメリット

PoHでは検証可能なタイムラインをブロックチェーンに埋め込むことにより、以下などのメリットがもたらされます。

  • 効率性の向上:バリデーターは、トランザクションの時刻と順序に関するコンセンサスを待たずに、トランザクションをより迅速に処理できる。

  • セキュリティの強化:ハッシュのシーケンスが変更不可能であるため、悪質な攻撃者によるトランザクション順序の変更が困難になる。

  • スケーラビリティの向上:PoHにより、検証処理が効率化し、ネットワークにおいて処理可能なトランザクション取引量が大幅に増加する。

まとめると、プルーフ・オブ・ヒストリーは、ソラナのブロックチェーンに組み込まれた時計に相当するものです。プルーフ・オブ・ヒストリーはコンセンサスメカニズムではなく、トランザクション順序の検証時間を大幅に短縮する手法です。これをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)と組み合わせることで、ブロック作成時における次のバリデーターの選択が安全かつ簡単になります。

トランザクション手数料

ソラナのトランザクション手数料は平均で$0.02と非常に低くなっています。他のブロックチェーンにおけるトランザクションのガス代は相当高額となるケースが多くなっています。一方、ソラナのトランザクション手数料は安いため、Web3への参加が容易となります。

ただし、トラフィックが多い場合、手数料が$0.30以上に上昇する時期がこれまでにありました(例:2025年初頭のトランプ・ミーム・コインのローンチ時期)。

エネルギー効率

ソラナのノードがトランザクションの検証に要する時間とリソースは、大幅に少なくなっています。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)ブロックチェーンでみられるマイニングは存在しません。このため、ソラナネットワークは最もエネルギー効率の高いブロックチェーンの1つとなっています。

ソラナエコシステムのセキュリティ確保と支援に取り組む非営利団体であるソラナ財団は、ソラナのエネルギー環境への影響、他のブロックチェーンプロジェクトとの比較、平均世帯使用量に関する第三者機関による監査を定期的に公表しています。同財団が2024年9月に公開した報告書によると、ソラナでは2023年12月における報告書の公開以降、「二酸化炭素排出量を69%削減」しています。

SOLとは

SOLはソラナのネイティブ暗号資産(トークン)です。SOLは、ソラナのトークン規格であるSPLプロトコル(イーサリアムのERC-20規格に相当)を採用しています。

ソラナネットワークでは、デフレモデルを採用しており、その一環としてSOLをバーンしています。SOLトークンには主に2つのユースケースがあります。

  1. ネットワークやスマートコントラクトの利用時に発生するトランザクション手数料の支払い。

  2. PoSコンセンサスメカニズムの一部としてのトークンのステーキング。

SOLステーキング

SOL保有者は、ブロックチェーンのPoSコンセンサスメカニズムに参加し、トークンをステーキングできます。Phantomなどの互換性のある暗号資産ウォレットから、ネットワークのトランザクションを処理するバリデーターにトークンをステーキングできます。バリデーターが検証に成功すると、報酬をステーキング参加者と共有して獲得できます。この報酬メカニズムは、バリデーター(検証者)とデリゲーター(委任者)がネットワークの運用維持への貢献として、インセンティブを提供するものです。

あるいは、バイナンスのプラットフォーム上でSOLをステーキングして受け取れるBNSOLを利用すれば、流動性を維持しながらステーキング報酬を獲得できます。

ソラナのバリデーターになるための必要経費

SOL保有者は、希望すればネットワークバリデーターになれますが、その維持費が高額であるため、大口のSOL保有者がバリデーターになる場合が一般的です。ソラナのバリデーターになるための最低条件はありませんが、投票トランザクション手数料として、毎年、大量のSOLを維持する必要があります。

2025年1月時点で、概算では年間約354 SOL、または1日あたり0.97 SOLが必要になります。つまり、バリデーターとして利益を確保するには、何万人ものユーザーがステーキングをバリデーターのノードに委任する必要があります。

ソラナのエコシステム

ソラナのエコシステムは、2020年のメインネットのローンチ以来、目覚ましい発展を遂げています。2025年1月時点で、ソラナネットワークには、400万以上のアクティブウォレットと数千人の開発者がいます。

ソラナの高速トランザクションと高スループットは、以下などのWeb3分野において重宝されており、数多くのユースケースを提供しています。

  • 分散型金融(DeFi):ソラナ上では多数のDeFiアプリケーションが運用され、ユーザーは仲介者なしで貸付、借入、取引などのサービスへアクセスができる。

  • 決済:Solana Pay(ソラナペイ)プロトコルにより、数秒で決済を完了できる円滑な決済システムがエコシステム内に構築されている。

  • ゲームおよびエンターテイメント:最小限の遅延時間で大規模なトランザクションを処理することから、ゲーム、エンターテイメント、メタバース機能をはじめとするWeb3のユースケースが広がる。

  • 非代替性トークン(NFT):このプラットフォームでは、NFTプロジェクトが増加し続け、クリエイターはデジタルアートやコレクションをミント、取引、公開できる。

  • 分散型物理インフラネットワーク(DePIN):ブロックチェーン技術を活用した現実世界のネットワーク。DePINは、ブロックチェーンの分散化の原則を、エネルギー供給網やサプライチェーンなどの物理的インフラに拡張するものである。

まとめ

ソラナは、高速で低コストかつエネルギー効率に優れた強力なブロックチェーンです。同ブロックチェーンが提供するプルーフ・オブ・ヒストリーなどの独自機能や他の先進的なツールにより、従来のブロックチェーンでありがちな速度の遅さやコストの高さなどの一般的な問題の解決につながります。

長年にわたり、ソラナはアプリの作成、NFTのトレード、Web3プロジェクトの構築に最適なプラットフォームとして成長してきました。速度と使いやすさを重視した開発を重ねたソラナは、今ではブロックチェーン分野の主要プレイヤーとして位置付けられています。

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