Etherscanの説明と使用方法の紹介
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Etherscanの説明と使用方法の紹介

Etherscanの説明と使用方法の紹介

初心者
公開済 Oct 6, 2021更新済 Aug 19, 2024
9m

要点

  • Etherscanは、Ethereumネットワーク用のブロックチェーンエクスプローラーです。同エクスプローラーでは、トランザクション、ブロック、ウォレットアドレス、スマートコントラクトなどのオンチェーンデータを検索できます。

  • Etherscanは、最も人気が高いEthereumのブロックチェーンエクスプローラーの1つです。同エクスプローラーを使いこなせるようになれば、ブロックチェーン、他のウォレット、dAppとのやり取りについて把握しやすくなります。また、こうした理解は、安全の確保と不正行為の発見にもつながります。

  • Etherscanにより、スマートコントラクトとやり取りしたり、ガス代の確認やエアドロップの検索などもできます。

バイナンスアカデミーコース

はじめに

EthereumをHODL(長期保有)または数回のトランザクション以外の目的で使用しているのであれば、ブロックチェーンの仕組みについてぜひ学んでおきたいところです。Etherscanは、ブロックチェーンの基礎を学ぶに当たり最適な入り口となります。

Etherscanの機能は、暗号資産ウォレットの接続やアカウントの開設をせずとも利用できます。この記事では、Etherscanの最も一般的な利用方法、ならびに得られる情報の活用方法について解説していきます。

Etherscanの概要

Etherscanは、Ethereumブロックチェーン上のトランザクション、スマートコントラクト、アドレスなどに関する公開データを表示できるブロックエクスプローラーです。

Ethereum上のすべてのやり取りは公開されており、Etherscanでは検索エンジンと同様にこうしたやり取りを確認できます。トランザクションハッシュ(トランザクションID、TXID)を用いれば、関連するすべてのアクティビティ(トークン、スマートコントラクト、ウォレットアドレスなど)を検索できます。

Etherscanの利用にアカウント登録が必要か否か

Etherscanは登録不要で利用できるものの、アカウントを作成すれば付加的機能を利用できます。例えば、アラートを設定してトランザクションの受信を通知したり、開発者ツールにアクセスしたり、データフィードを作成したりできるようになります。

Etherscanの利用には、ウォレットアドレス、トランザクションID(TXID)、コントラクトアドレス、または検索フィールドに貼り付けるその他識別子が必要となります。表示される情報は実行する検索によって異なるものの、ほとんどの場合は関連するトランザクション、アドレス、タイムスタンプ、(トークン)数量などが表示されます。

Etherscanは、暗号資産ウォレットを提供していません。トランザクションを実行するには、バイナンスWeb3ウォレットMetaMaskTrust Walletなどのウォレットを準備する必要があります。

Etherscanを利用すべき理由

ブロックチェーン上のやり取りについての知識が深まると、dAppおよびトランザクションにおける動作の仕組みについて理解しやすくなります。また、こうした理解があれば、安全の確保とブロックチェーン上における不正行為を発見しやすくなります。

例えば、巨額の暗号資産が取引所に入庫された場合に通知を受け取れる機能に、クジラ(大口投資家)アラートがあります。必ず該当するとは限らないものの、このアラートは大規模な売りを示唆している可能性があります。また、Etherscanでは、プロジェクトの創設者によるトークンの操作内容を確認することもできます。内容を理解できれば、潜在的な詐欺やラグプル(開発者がプロジェクトを放棄してそのトークンを売却すること)を発見できる可能性につながります。

Etherscan上でのトランザクションまたはウォレットの検索方法

Etherscanの基本的な機能として、トランザクションの追跡が挙げられます。説明のために、最近実行されたトランザクションの一覧からランダムにトランザクションを選択します。

例えば、自身のウォレットから公開アドレス(0x52a94197CCCB021c930aC17EA1b309296dA16ea1)に1.23 Ether(ETH)を送付したと仮定します。

トランザクションの実行後、ウォレットに以下のトランザクションID(TXID)が表示されます。

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例えば、トランザクションの承認回数、および正常に送付されたか否かを確認する場合の操作方法を説明します。

1. Etherscanのホームページで、ページの上部にある検索フィールドを見つけます。

2. 次に、トランザクションID(TXID)を検索フィールドにコピーアンドペーストし、検索アイコンをクリックします。

Etherscanブロックチェーンエクスプローラー

3. 確認したいトランザクションに関するすべての詳細が表示されます。

Etherscanのトランザクション概要

また、[Click to show more](クリックして詳細を表示)ボタンをクリックすると、詳細情報を表示できます。

Etherscanのトランザクション詳細

4. 初期設定の表示項目を見ていきます。

Transaction Hash(トランザクションハッシュ)

特定のトランザクションに関連する数字とアルファベットの文字列(TXID)。

Status(ステータス)

トランザクションの失敗、実行中、成功などの状況。

Block(ブロック)

そのトランザクションが含まれているブロック番号。また、そのトランザクションが何回承認されたかも確認できます。そのトランザクションのブロックの後にチェーンに追加されたブロックの数を表しています。

Timestamp(タイムスタンプ)

そのトランザクションが追加されたブロックのタイムスタンプ。

From(振替元)

トランザクションを実行したウォレットアドレス。

To(振替先)

受け取り側のアドレスもしくはスマートコントラクト。

Value(価値)

トランザクションにおいて送付されたETH数量。

Transaction Fee(トランザクション手数料)

トランザクションを行うために支払われた手数料。

Gas Price(ガス代)

トランザクションにおけるガス単位あたりのコスト。

上記のデータを参照することで、トランザクションが正常に実行され、十分な確認を受けたことが簡単に分かります。また、受取人のウォレットの検索により、トランザクションの状態を確認することもできます。

検索バーに戻って、受信ウォレットのアドレスを貼り付けます。

0x52a94197CCCB021c930aC17EA1b309296dA16ea1

Etherscanの検索バー

ページの下部には、そのアドレスに関連するすべてのトランザクションの一覧が表示されています。Etherscanのトランザクション履歴

赤枠内のトランザクションは、上記の例で最初に送付した1.23 ETHです。Inの表示から、検索したアドレスが受取人のものであることが分かります。ページの上部には、ウォレット残高の概要も表示されています。

Etherscanのウォレット概要

Etherscan上でのトークンのコントラクトアドレス検索方法

dAppでスマートコントラクトと定期的にやり取りしている場合、Etherscan上でのスマートコントラクトの検索方法を知っておくと便利です。これにより、正しいスマートコントラクトアドレスとやり取りしていることを再確認できます。また、ウォレットに新しいトークンを追加する必要がある場合、トークンアドレスの入力を求められることが多くなっています。

トークンのコントラクトアドレスは、トークン一覧が表示されるEtherscanのToken Tracker(トークントラッカー)ページ上で検索できます。または、CoinMarketCap、CoinGecko、プロジェクトの公式チャンネルでも検索できます。

Etherscanのトークントラッカーの初期設定では、トークンは時価総額順にソートされています。

Etherscanのトークントラッカー

トークン一覧から任意のトークンをクリックし、トークンのコントラクトアドレスを検索します。同アドレスは、[Other Info](その他の情報)セクションの下にあります。

Etherscanのトークンコントラクト

Etherscan上でのスマートコントラクトの検索方法

以下で、EthereumのERC-20トークンであるUniswapを詳しく見ていきます。

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1. スマートコントラクトのアドレスをコピーして、検索バーに貼り付けます。

Etherscanでのスマートコントラクト検索

2. コントラクト残高の詳細や、Uniswap(UNI)トークンのコントラクトに関する一般的な情報が表示されます。

Etherscanのトークン概要

3. この下に、トランザクション、コメントセクション、スマートコントラクト自体の情報などの複数の選択肢が表示されます。[Contract](コントラクト)をクリックすると、Uniswapとのやり取りおよびそのコントラクトルールを理解するために利用できる方法が表示されます。

Etherscanのコントラクト

4.「Read Contract」タブには、コントラクトの一般的な情報が表示されます。例えば、ウォレット内のトークンの使用許可を得ている特定のアドレスやウォレットの残高を照会できます。

Etherscanのコントラクトを閲覧

[Write Contract](コントラクトを記述)をクリックすると、UNIのスマートコントラクトと直接やり取りできます。この機能は、DeFiプラットフォームおよびdAppが技術的問題やウェブサイトの停止などの理由により利用不可となった場合に役立ちます。

つまり、参加中のプロジェクトのウェブサイトを利用する代わりに、Etherscan上でのスマートコントラクトとのやり取りもできます。やり取りの際は、コントラクトアドレスが正しいことを必ずご確認ください。

「Connect to Web3」(Web3に接続)をクリックすると、MetaMaskやBinance Chain Walletなどの暗号資産用ウォレットを接続し、コントラクトとやりとりできます。

EtherscanでのWeb3への接続

ここでの最も単純な操作は、トークン(コイン)の送付です。例えば、[transfer](送付)では、接続済みのウォレットからコントラクトに関連付けられたトークンを送付できます。以下は、接続済みのウォレットから、ペーストした受取人のウォレットアドレスに1 UNIを送付するトランザクションの例です。送付の際は、送付希望数量の小数点以下の数字が正しいことを必ず確認してください。

Etherscanでの送付

[transferFrom](送付元)では、保有アドレスから他のアドレスにトークンを送付できます。

Etherscanの送付元

ほとんどのユーザーには、これらの機能は特段必要なものではありません。一方で、スマートコントラクトに保管している資金にアクセスする必要がある場合、その場所を知っておくことは有用となり得ます。

Etherscanでのガス代の確認方法

ガス代は、Ethereumのトランザクション手数料の一部となっています。こうした手数料は、該当のトランザクションが含まれるブロックに基づき変動します。各ブロックには、データおよびネットワークトラフィックに基づき変動する手数料が設定されています。

EtherscanのGas Tracker(ガス代トラッカー)では、変動するガス代の価格とその時間を確認できます。この機能は、ネットワークの混雑度の予測と、トークンの送付またはスマートコントラクトとのやり取り時に支払う必要がある価格の概算に役立ちます。

Etherscanのガス代トラッカー

まとめ

Etherscanは、無料かつ簡単に操作できます。ウォレットまたは取引所に表示される情報以上の情報が必要な場合に最適なツールとなっています。また、Etherscanは、BscScanなどの他のブロックエクスプローラーの基盤でもあるため、同ツールに関するスキルを習得すると他の場面でも活用できるようになります。トランザクション状況の確認やお気に入りのdAppのスマートコントラクトの検索などをしてみたいと感じたら、Etherscanが取り掛かりとして良いきっかけとなるでしょう。

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