BscScanについての説明およびその使用方法
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BscScanについての説明およびその使用方法

BscScanについての説明およびその使用方法

初心者
公開済 Nov 18, 2021更新済 Oct 15, 2024
9m

要点

  • BscScanとは、BNB Smart Chain(BSC)上のトランザクションの追跡、ウォレット残高の確認、スマートコントラクトとのやりとりできるブロックチェーンエクスプローラーです。

  • ガス代のモニタリング、BEP-20トークンの追跡、固有アドレス数の確認など、他多数の機能も用意されています。

  • これらの指標は、ネットワークのアクティビティや、トラフィックの混雑状況の把握、トークンのパフォーマンス評価に役立ち、投資家、トレーダー、ブロックチェーン開発者にとって非常に有益なものとなっています。

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はじめに

パブリックブロックチェーンはパーミッションレスで、アドレスさえあれば誰でも他のアドレスとやりとりできるという話をよく耳にします。しかし、ブロックチェーン上での開発自体もパーミッションレスであることはご存知でしょうか?専門知識があれば、何にも妨げられることなく、誰でもブロックチェーン上にdAppをデプロイできます。

まさにこの事実が、分散型金融(DeFi)分野での開発スピードの速さにつながっています。BNB Smart Chain(BSC)はまだ歴史の浅いブロックチェーンではあるものの、すでに目覚ましい成長を遂げています。どれだけの目覚ましさかと言えば、オンチェーンデータが豊富に公開されており、トレーダーや投資家はネットワークのアクティビティを簡単に把握できるほどとなっています。

このオンチェーンデータにアクセスしたい場合、BscScanなどのブロックチェーンエクスプローラーが最も簡単に必要なものを発見できるアイテムになります。

BscScanとは

BscScanは、Etherscanの開発チームによって導入されたブロックチェーンエクスプローラーです。BscScanはBNB Smart Chain解析向けのプラットフォームですが、他にも多くの優れた機能が用意されています。特に、BSC上に構築されたDeFiプロジェクトをモニターする際、有益な情報源となります。

また、BscScanでは次のことができます。

1. トランザクションを調べ、その進捗を確認できます。

2. ブロックチェーンに追加された最新のブロックを確認できます。

3. ウォレット残高とウォレットが行ったトランザクションを確認できます。

4. ブロックチェーンに展開されたスマートコントラクトを検索し、読み、やり取りできます。

5. トークンや他の暗号資産の供給状況を調査できます。

これらの情報はすべて、登録不要かつすべて無料で利用できます。ブロックチェーンエクスプローラーで提供される情報は、シンプルかつ簡単に閲覧できます。

BscScanを利用すべき理由

BscScanは、Ethereumで普及しているブロックエクスプローラーであるEtherScanの開発チームが提供する、信頼性の高いサービスです。評判通り、BscScanはブロックチェーンを使いこなす上での必須ツールとなりますす。基本的な利用方法を理解すれば、簡単な問題や疑問を素早く解決できます。

例えば、BscScanでのスマートコントラクトの検索方法を理解すれば、dAppユーザーには大変便利なツールになります。スマートコントラクトが承認されているかを確認でき、BscScanを通じての直接やりとりも可能です(dAppのAPIが利用できない場合に役立ちます)。しかし、オンチェーン情報はスマートコントラクトや基本的なトランザクションの確認だけではありません。

例えば、大口取引を監視する目的でクジラアラートを設定できます。取引所に大量の暗号資産が移動していれば、近い将来、その資産が売却される可能性を示唆している場合もあります。DeFiプロトコルの創設者のウォレットを追跡し、所有しているトークンの移動も確認できます。BscScanで最もよく利用されるツールや指標について、詳しく説明していきます。

BNB Smart Chainでのガス代平均を調べる方法

まず、[Resource](リソース)にカーソルを合わせ、[Charts & Stats](チャート&統計)をクリックし、[Average Gas Price Chart](ガス代平均チャート)をクリックします。

BscScanのチャートと統計

BSCトランザクションで支払うガス代の計算に利用されるガス代平均チャートが表示されます。

BscScanガス代平均チャート

すでにお話したように、BSCの手数料は比較的安いといえます。BSCでは、1 gwei(ギガウェイ)は0.000000001 BNBとなります。平均ガス価格が約3.5gweiであれば、100 BNBの送信コストは0.1 USD以下になります。その10倍、100倍の数量を送信したとしても、コストは0.3 USDを超えることはありません。

Bscscanガス代平均(2024年)

トランザクション履歴を見ると、通常よりも高いトランザクション手数料を支払っていることがわかります。Ethereum(イーサリアム)や他のブロックチェーンからの古い習慣を引きずっているのかもしれませんが、その必要はありません。BNB Smart Chainはまだそれほど混雑していません。ネットワーク環境が安定しており、簡単なトランザクションであれば、3.5gweiで十分です。

BNBスマートチェーンの固有アドレス数を調べる方法

BscScansの固有アドレス数は、ネットワーク利用のユーザー数の推定に利用される優れた指標です。[Resources](リソース)にカーソルを合わせて、[Chart & Stats](チャート&統計)をクリックすると、固有アドレス数が得られます。次に[Unique Addresses Chart](固有アドレスチャート)をクリックします。

Bscscan BSC固有アドレス数チャート

ブロックチェーン上で100個の固有アドレス数が存在しても、個別ユーザー100人が存在することにはなりません。誰でも複数のアドレスを作成できるからです。暗号理論の性質上、アドレスを複数作成しても上限いっぱいになることはありません。とは言え、それらのアドレスが同一人物や団体に属しているかを確認するのは非常に困難です。

誰でもアドレスを複数作成できることから、この指標で得られる数字はユニークユーザー数としては過剰にカウントすることになります。それでも、固有アドレス数はネットワークの成長度合いの概要を把握するのには役立ちます。

BNB Smart Chainの1日あたりのトランザクション数の確認方法

このグラフは、1日あたりのBNB Smart Chainのトランザクション総数を示しています。これも[Charts & Stats](チャート&統計)で表示できます。

Bscscan BSC日次トランザクション数チャート

スマートコントラクトの中には他と比べより多くのトランザクションが実行されるものもあるとは言え、このチャートはネットワークのアクティビティならびに混雑状況を理解する上での手助けとなります。また、ネットワークの健全性の証ともなります。

BEP-20上位トークンとは

Token Tracker(トークントラッカー)ページでは、時価総額または日次取引量で上位BEP-20トークンを確認できます。BSCブロックチェーン上で最も累積価値を持つトークンや、最も取引数量が多いトークンを把握できます。

Bscscan上位BEP20トークン

ここで注目したいのが、トークンの情報になります。トークン / コントラクトの所有者は、BscScanでトークンの情報をアップデートすることで、トークンの詳細を把握できます。BscScanチームがトークンコントラクトのアドレスを検証していない場合は、信頼できない可能性があります。

このページには多くのラップドトークンが掲載されています。これらは、他のブロックチェーンに属するコインやトークンをBNB Smart Chainでトークン化したものです。Binance-Peg ETHはその一例です。

つまり、BSCの資金をEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンに移動させることなく、BSCバージョンのETHを売買したり取引できます。BSC上でラップされたETHは、もともとEthereumブロックチェーンに属するETHをBSC上でトークン化したバージョンになります。

BscScanとNFTの互換性

BSCで検証できる他のデジタル資産と同様に、個々のNFTとそのスマートコントラクトも簡単に調べられます。ここでは、BSCで最も普及しているNFT規格であるBEP-721とBEP-1155トークンを例に簡単に紹介します。Pancake SquadコレクションのPancakeSwap NFTを取り上げてみます。

BscScan PancakeSwap NFT

コントラクトアドレス(0x0a8901b0E25DEb55A87524f0cC164E9644020EBA)をBscScanの検索バーにコピーすれば、Contract Creator(コントラクト作成者)とToken Tracker(トークントラッカー)を検索できます。

Bscscanトークントラッカー

トークントラッカーのリンクをクリックすると、Total Supply(総供給量)、Holders(保有者数)、Total Transfers(総送信数量)を確認できます。また、下のタブでは各指標や、Inventory(インベントリ)、Contract Source Code(コントラクトソースコード)などの詳細を確認できます。

Bscscanスマートコントラクト・コードチェック

BNB Smart Chainバリデーターの検索方法

簡単に言えば、バリデーターとはBSCの運用を継続していくために必要なものです。BNBをステークすることで、トランザクションを処理し、新たなブロックを承認していきます。そのサービスの対価として、ネットワークの活動に伴うトランザクション手数料を獲得しています。

BNB Smart Chainでは、プルーフ・オブ・ワーク・オーソリティ(PoSA)と呼ばれるコンセンサスメカニズムを採用しています。このコンセンサスモデルでは、短いブロックタイムと低い手数料が実現されます。Binance Smart Chainの上位バリデーターは、[Validators](バリデーター)タブの下にあるValidators Leaderboard(バリデーター・リーダーボード)で確認できます。

BscScanバリデーター・リーダーボード

バリデーター資格要件基本的には誰でもなれますが、比較的高い資格要件が設定されています。これは、ネットワークのセキュリティに関する事項であるためです。BNB Smart Chainのバリデーター資格要件の詳細情報は、公式のBNB Chain Docsをご覧ください。

BscScanでスマートコントラクトの検証方法

BscScanでは、任意のコントラクトアドレスを入力して、コンパイルされたコードがブロックチェーン上で実行されているコードと同じであるかを検証できます。ツールバー上のコントラクトの横に緑色のチェックマークが表示され、[Contract Source Code Verified](コントラクトソースコード検証成功)との通知が表示されます。

Bscscanスマートコントラクトのソースコード検証成功

ユーザー自身によって独自にコードの監査と検証できることは、BNB Smart Chainエコシステム全体の透明性を確保する上で重要な機能といえます。また、MetaMaskなどの暗号資産ウォレットを接続し、スマートコントラクトと直接やり取りもできます。

まとめ

DeFi慣れしたユーザーでも、BSCネットワークの全くの初心者でも、BscScanの使い方を知ればブロックチェーンをより深く理解できるようになります。ただし、市場は予測不可能であり、極端なボラティリティが発生しやすい期間があることも忘れずにいてください。自分自身で調査を十分に行うことがトレードの成功につながります。トークンがBscScanチームによって検証済みであるか、コントラクトがオープンソース監査済みであるかの確認はもちろんのこと、自分自身で実際にプロジェクトのブログやソーシャルメディアのアカウントを精査し、中身をより深く理解することが重要です。DeFiを利用する際には、そのリスクを十分に理解した上でご参加ください。

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