Plume(PLUME)とは?

Plume(PLUME)とは?

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更新済 Aug 19, 2025
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要点

  • Plumeは、現実資産のトークン化と利用に特化した、EVM互換のパブリックブロックチェーンです。

  • 同プラットフォームは、不動産やコモディティ、GPUなどの新しい分野を含む幅広い資産のトークン化に対応しており、DeFi内で利用可能にします。

  • ネットワークのネイティブトークンであるPLUMEは、トランザクション手数料、ステーキング、ガバナンス、エコシステム関連のインセンティブに使用されます。

  • エコシステムでは、USDCのステーブルコインをラップしたPlume USD(pUSD)や、イーサリアムに連動した流動性ステーキングトークンであるPlume ETH(pETH)も存在します。

はじめに

近年、暗号資産業界の動向として、現実資産(RWA)をブロックチェーン上で取り扱う傾向が広がっています。つまり、不動産や信用、コモディティなどの資産の所有権や権利を表すデジタルトークンを作成することを意味します。トークン化された資産は、取引、担保資産としての利用、他の資産との組み合わせによって、分散型金融(DeFi)の戦略に活用できます。

Plumeは、この考え方をもとに従来の金融システムと暗号資産を橋渡しするために構築されたブロックチェーンであり、オンチェーン上で現実資産(RWA)のトークン化、管理、利用を可能にするツールを提供しています。

Plume(プルーム)とは?

Plumeは、信用、ETF、不動産、コモディティなどの現実資産(RWA)をオンチェーンに取り込む、EVM互換のパブリックブロックチェーンです。これらの資産は、所有権や権利を反映したデジタルトークンとして、暗号資産と同様に多様なDeFiで利用できます。すでに200以上のプロトコルと連携しており、これまでの使い慣れた操作方法でPlumeを通じて新たな可能性にアクセスできます。

Plumeでの利用例を挙げます。

  • トークン化されたプライベートクレジット、ETF、国債からの利回り獲得

  • トークン化された不動産やコモディティを担保とした流動性の借入れ

  • リキッド・ステーキング・トークンによる収益最大化

  • 分散型・リスク調整済み戦略を提供するヴォールトへの投資

Plumeの仕組み

Plumeポータル

Plumeポータルは、Plumeエコシステム全体の入り口となっています。トークンのブリッジ、資産のステーキング、トークン間のスワップ、収益のリアルタイム追跡ができる、使いやすいダッシュボードが提供されています。

また、インタラクティブな体験を重視した設計となっており、紹介プログラムへの参加やコミュニティのリーダーボードでのランキング、RWAをテーマにしたデイリースピン報酬の獲得、DeFiの基礎を学べるクエストなどが用意されています。

さらに、Plumeの内部ブリッジ(Relay)と外部ブリッジプロバイダーによるクロスチェーン機能を備えています。これにより、複数のブロックチェーン間での資産のブリッジおよびスワップを一度のトランザクションで実行でき、オンチェーンでの資本移動がより効率的に行えます。

Plume USD(pUSD)

Plume USD(pUSD)はPlumeエコシステムのステーブルコインであり、支払い、取引、担保における主要資産として利用されています。pUSDは1対1でUSDCに裏付けられているため、安定性と流動性が確保されています。アルゴリズム型ステーブルコインとは異なり、pUSDはUSDCのラッパー(ラッピングされたトークン)として機能し、シンプルで透明性が高く、余計なリスクを加えません。

pUSDは手数料なしでミント(発行)や償還が可能で、Nucleusヴォールトシステムにより準備金が自動的に管理され、常に十分な裏付けが維持されます。pUSD自体は現時点では利回りが発生しないものの、将来的には利回り発生型の導入が予定されています。

Plume ETH(pETH)

Plume ETH(pETH)は、イーサリアムのリキッドステーキング派生商品です。pETHをミントすると、ユーザーのETHはイーサリアムメインネット上で自動的にステーキングされ、その対価として利回りを生むトークン(pETH)がユーザーのPlumeウォレットに即座かつ一度の手続きで送られます。報酬相当分はpETHに蓄積され、pETHの価値は時間とともに上がり、保有するだけで手間なく収益を得られます。pETHは保有するだけで利回りを生むトークンであるため、貸付や担保としてDeFi戦略に活用し、さらなる機会を広げることも可能です。

主な特徴

利回り獲得用ヴォールト

Plumeは、利回り獲得を目的とした各種特化型ヴォールト(運用プール)を提供しています。リスクレベルの異なる複数のヴォールトが、機関投資家のパートナーによって運用されています。

  • マーケットニュートラル・ヴォールト:規制監督下にある取引とトークン化国債を組み合わせ、市場動向に依存しない安定した収益を実現します。安定したパフォーマンスを求めるユーザー向けと言えます。

  • 分散型流動性ヴォールト:高い利回りを目指して選定されたトークン化資産を複数組み合わせ、強い流動性を維持します。資産は規制されたブローカー、ファンド、認可取引所から調達されており、信頼性が高くなっています。

  • ETFベース・ヴォールト:米国上場のファンドを通じてシニアローンや国債オプションに投資しています。月次決済により、従来のクレジット戦略へのアクセスをオンチェーンで簡素化しています。

これらのヴォールトは、実世界の金融商品をDeFiに取り込むもので、かつては機関投資家に限定されていた、オンチェーン上での資産からの利回りを獲得できるようにします。

コンプライアンス

Plumeはシーケンサーのレベル(トランザクションの順序付けや処理を行う段階)で資金洗浄防止(AML)スクリーニングを統合し、トークン発行前にすべてのトランザクションをチェックします。例えば、他チェーンからUSDCを送金したウォレットが不正資金と判定された場合、送金はブロックされ、Plume上でUSDCは生成されません。

また、ネットワークはブロックチェーン分析プロバイダーと連携し、制裁対象の監視、疑わしい取引の検出、ネットワーク全体の活動評価を行っています。この仕組みにより、Plume上で流通する資産が規制およびコンプライアンス要件を満たしていることが保証され、資産運用者やブローカーからの信頼を集めています。

PLUMEトークン

PLUMEトークンは、Plumeネットワークのネイティブユーティリティトークンです。Plumeのエコシステム内で、以下のようなさまざまな目的で使用されます。

  • ガス代PLUMEは、ネットワーク全体のトランザクション手数料(ブリッジング、スワッピング、ステーキングなどの操作)の支払いに使用されます。

  • ステーキング:ユーザーは、ネットワークのセキュリティを担うバリデーターにPLUMEを委任できます。見返りとして、ステーキング参加者は貢献度に応じたPLUMEリワードを獲得することになります。ステーキングされたトークンの所有権はユーザーのものとして維持される一方、ステーキング期間中はロックされます。ステーキング解除には21日間の待機期間が必要になり、これにより急激な離脱からネットワークを保護し、安定性が確保されます。

  • 委任:PLUME保有者は、アップグレード、エコシステム資金調達、プロトコルパラメーター(運用ルールなど)に関する提案に対して投票し、ネットワークガバナンスに参加できます。この手続きは将来的にすべてオンチェーン上での意思決定システムに移行する予定となっています。

  • インセンティブ:PLUMEは、紹介、クエスト、コミュニティ活動などの貢献に対する報酬として配布されます。

Plume(PLUME)のバイナンスHODLerエアドロップ

2025年8月18日、バイナンスはHODLerエアドロッププログラム32番目のプロジェクトとしてPLUMEを発表しました。7月24日~27日の対象期間中にSimple Earn商品またはオンチェーン・イールド商品にBNBを預けたユーザーを対象に、PLUMEトークンのエアドロップが配布されました。このプログラムでは、トークン供給全体の1.5%に相当する合計1億5000万PLUMEトークンが割り当てられました。

PLUMEは、バイナンスでシードタグ付きで上場しており、USDT、USDC、BNB、FDUSD、TRYとのペアで取引できます。

まとめ

Plume(PLUME)は、現実資産を暗号資産で利用可能にするブロックチェーンプロジェクトです。プロトコルレベルでコンプライアンスを組み込み、個人投資家から機関投資家まで対応した専用ヴォールト戦略を提供しています。また、pUSDやpETHといったトークンを活用し、多様な金融サービスを実現しています。Plumeは、現実資産(RWA)が暗号資産と同じように自由に移動できる金融システムの構築を目指しています。

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