Telegram取引ボットと活用方法
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Telegram取引ボットと活用方法

Telegram取引ボットと活用方法

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公開済 Aug 23, 2023更新済 Nov 23, 2023
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概要

  • Telegram取引ボットは、メッセージングアプリのTelegramに組み込まれた自動化システムで、分散型取引所で簡単に取引を執行できます。

  • Telegram取引ボットは、コピートレード、流動性スナイピング、エアドロップファーミングなど、さまざまな自動取引機能を提供します。

  • Telegram取引ボットはまだ開発初期段階であり、スマートコントラクトリスクや保管リスクなど、注意すべき多くのリスクが存在します。

Telegram取引ボットとは

Telegram取引ボットは、Telegram内で自動化システムとして機能し、分散型取引所(DEX)での取引を執行するものです。アプリのメッセージングインターフェースを通じて、これらのボットとやり取りをすることになります。

様々なTelegram取引ボットが独自の機能を提供していますが、ストップロス注文やテイクプロフィット注文、コピー取引、マルチウォレットへの対応などの取引機能が最も一般的なものとなっています。

バイナンスの取引ボットに関する調査研究によると、2023年8月15日現在、Telegramボットで取引された累積取引額は2億8,300万米ドルを超えています。

Telegram取引ボットの仕組み

Telegram取引ボットは、Uniswapなどの分散型取引所(DEX)に接続し、事前設定したルールに従い取引を行うことで、取引の自動化を支援するものです。

これらのボットは、Web3ウォレットやDEXのユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)に取って代わり、複雑な分散型暗号資産の購入プロセスを効率化します。

各取引ボットは独自のインターフェースを備えていますが、トークンをすばやくスナイプまたは即座に購入するためのプロトコルとして機能することが主な目的です。トークンのスナイプ(狙撃)とは、新しく市場に公開されたトークンをすぐに取得する取引戦略のことです。

設定手順としては、公式ウェブサイトにアクセスし、Telegramチャットで取引ボットを開き、インストラクションパネルで指定されたコマンドを入力するだけです。ボットごとに、異なるレイアウトとコマンドメニューがあります。

Telegram取引ボットの初回起動時、ボット専用の新しいウォレットアドレスを作成するか、秘密鍵を使用してウォレットアドレスをインポートできます。メインのウォレットをインポートするのではなく、新しいウォレットを作成するか、Telegram取引ボット用に別のアカウントを使用することをお勧めします。

取引を開始するには、新しいウォレットに暗号資産、(通常はETH)を入金する必要があります。その後、希望するトークンのコントラクトアドレスを入力し、トークンを購入方法を選択できます。取引ボットが取引を処理し、ガス手数料を計算して迅速に資産を購入します。

これとは対照的に、UniswapやMetaMaskを使用して新しいトークンを取引する場合、さまざまな署名処理や取引手数料の設定が必要になります。

Telegram取引ボットでできること

Telegram取引ボットの多くの機能は共通してますが、独自の機能もあります。ここでは、Telegram取引ボットで最も一般的な機能をいくつかご紹介します。

1. トークンの売買

Telegramメッセージングプラットフォームに組み込まれた取引ボットは、コントラクトアドレスをコピーしてメッセージボックスに貼り付けるだけで、トークンを取得できます。取引ボットの中には、取引の利益や損失の変化を通知するリアルタイムの更新機能を備えたものもあります。さらに、これらのボットは事前に承認した取引を執行でき、トークン売却にも迅速に対応します。

2. テイクプロフィットとストップロス注文の設定

Telegram取引ボットでは、ストップロス注文とテイクプロフィット注文を設定することができ、設定されたパラメータに応じてボットが取引を自動的に実行できます。これらの注文タイプを活用して、中央集権型取引所(CEX)では入手できない新しいトークンを取引できる一方、こうしたトークンは一般的にリスクが高くなるため、十分注意してください。

3. アンチ・ラグプル(出口詐欺)およびハニーポットの検出

一部のTelegram取引ボットは、ラグプル回避およびMEV回避機能を備えています。トークン開発者がラグプルを仕組んだ場合、アンチラグ機能はメモリープール内での取引を識別し、ラグプルに巻き込まれるのを防ぐためより迅速に売り取引を執行します。

MEV(最大抽出可能価値)回避機能は、購入トランザクションをプライベート・リレーを通して実行し、購入がメモリープール内でブロードキャストされないようにします。この戦略は、MEVやサンドイッチボットからの保護を提供するものです。しかし、この方法は通常、プライベートな取引の速度がより時間をかけて運用されることになります。これらの機能はまだ実験段階のものであり、必ずしも意図したとおりに動作するとは限りません。

さらに、Telegram取引ボットでは、トークン開発者によって仕組まれた悪意のある取引の入力を検出することができます。このような取引によってトークンが売却不可能になった場合、そのトークンはハニーポットとみなされます。ハニーポット詐欺に陥らないよう、ボットがあらゆるポジションを速やかに清算します。

4. コピートレード

Telegramボットの中には、特定のウォレットアドレスをコピーし、そのウォレットのトレードを自動的にコピーすることができるものがあります。取引ボットは、ユーザーのアカウントと選択されたトレーダーとの間の橋渡しの役割を果たし、フォローするトレーダーが提供するシグナルに基づき、ユーザーに代わって取引を実行します。

しかし、他のトレーダーの過去の実績は必ずしも将来の利益の保証とはなりません。取引ボットで特定のトレーダーをフォローする場合、慎重に対応する必要があります。コピー取引に関連するもう1つのリスクに、流動性リスクがあります。流動性リスクは取引執行のために十分な流動性が市場にない場合に発生し、スリッページ、ポジションの決済が困難、取引コストの増加につながる可能性があります。

5. スナイピング(狙撃)

Telegram取引ボットの中には、流動性スナイピング、メソッドスナイピング、マルチウォレットスナイピングを実行できるものがあります。流動性スナイピングとは、ボットが流動性の追加を検出すると買い注文を執行する自動スナイピングの一形態です。多くのボットは、開発者の取引と同じガス設定で買い取引を送信するようにプログラムされており、開発者の取引の直後に同じブロックで買い取引が執行され、流動性を追加します。こうすることで、スナイパーが新しいトークンの獲得量を最大に拡大します。

メソッドスナイピングは、流動性が追加されたにもかかわらずトークンが未取引のままである場合に採用されるものです。開発者の保留中の取引の「Method ID」に基づき、自動的に購入取引を送信します。Method IDからは開発者の取引のトークンのスマートコントラクトとの関わり方が明らかになり、新しいトークンでの取引を容易にし、スナイパーの買い取引を早いタイミングで執行することを狙うものです。

Telegram取引ボットにより、ユーザーは複数のウォレットを同時に使用してスナイプを実行できます。例えば、トークンを複数のウォレットでスナイプすると、ボットはすべてのウォレットで同一の取引を実行します。

6. エアドロップファーミング

Telegram取引ボットにより、エアドロップ獲得を支援する自動タスクを作成できます。エアドロップのファーミングに焦点を当てたボットは通常、最も有望なエアドロップの機会を見つけるために複数のチェーン上で動作させます。エアドロップのファーミングボットは、様々なウォレットでエアドロップキャンペーンに参加し、獲得報酬を増やせる可能性があります。

しかし、これらのボットとウォレットや個人情報を共有したり、検証されていないエアドロップに参加する際は細心の注意を払う必要があります。エアドロップにも、多くの詐欺や欺瞞が存在しています。ご自身の資産や個人情報の安全性とセキュリティの確保のため、常に十分な注意を払ってください。

Telegram取引ボットに関連するリスク

Telegram取引ボットでは便利かつニッチな機能が提供されていますが、ボットで取引する前に知っておくべきリスクは多くあります。

1. 資産のセキュリティ

既存のウォレットに接続したり、ボット内で新しいウォレットを作成するには、どちらも秘密鍵へのアクセスが必要です。接続する際は必ず新しく作成したサブウォレットに接続し、メインウォレットには接続しないようにしてください。さらに、秘密鍵はTelegram取引ボットによって生成されるため、これらのボットには保管上のリスクが発生します。Telegram取引ボットが利用者の秘密鍵にアクセスできる可能性があります。

2. スマートコントラクトのリスク

Telegram取引ボットは、スマートコントラクトとのやり取りが必要になります。監査を受けていないスマートコントラクトとやり取りする場合、Telegram取引ボットはスマートコントラクトコードの脆弱性にさらされる可能性があります。

3. 技術的な複雑さ

Telegram取引ボットの設定は、初心者は操作が技術的に難しすぎると感じる場合があります。Telegramボットが提供するすべての資料を読んだ上で、失っても問題がない範囲で少量の暗号資産で取引を始めることが重要です。

まとめ

Telegram取引ボットは、暗号資産トレーダーに利便性、スピード、ニッチな機能をもたらす代替ツールとして登場しました。ボットにより、コピートレード、流動性スナイピング、MEV保護などのさまざまな機能が実現し、取引プロセスが簡単になります。

これらのボットは、暗号資産分野での発展が有望視されていますが、利用者はファンドの安全性やスマートコントラクトのリスクなど、その使用に伴う固有のリスクの存在を認識する必要があります。初心者も経験豊富なトレーダーも、Telegram取引ボットに参加する前に徹底的な調査を行い、ボットの機能、その基礎となるスマートコントラクト、および関連するリスクを確実に理解する必要があります。

理想的には、検証可能な実績を持つ、評価が高く評判の良い取引ボットを選択することが大切です。最新の情報、潜在的な問題を常に把握し、コミュニティの議論に積極的に参加することによって、ツールの利用を最適化し、潜在的なリスクを最小限に抑えることができます。

参考文献

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