バイナンスで使用できる注文タイプについて

バイナンスで使用できる注文タイプについて

初心者
更新済 Aug 25, 2025
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要点

  • 基本的な注文タイプ(成行指値メイカー指値)は、取引実行に関する不可欠な選択肢であると同時に、それぞれ異なる目的を有しています。

  • テイクプロフィット(利確)やストップロス(損切)などの取引出口戦略を活用すれば、価格状況に基づき注文の実行を自動化することで、リスクの軽減につながります。

  • 高度な注文の組み合わせ(OCOOTOOTOCO)では、複雑性の高い戦略でより優れた取引管理が実現します。

注文タイプのCTAバナー

はじめに

バイナンスでの取引では、様々な注文タイプを利用できます。各注文タイプは、取引を実行する際に特定の目的を達成するように設計されています。注文タイプには、成行注文や指値注文などの基本的な選択肢から、ワン・キャンセル・ジ・アザー(OCO)注文やワン・トリガー・ジ・アザー(OTO)などの複雑性の高い戦略まで多岐にわたるものがあります。

この記事では、バイナンスで利用できる各注文タイプの概要(特定の機能や各注文タイプの使用時期など)について解説します。

基本的な注文タイプ

基本的な注文タイプは特定の目的を実現するように設計されており、指定できる詳細は限定的となっています。すべての注文タイプにおいて、シンボル(例:BTCUSDT)と方向(買いまたは売り)を指定する必要があります。以下、最も一般的な注文タイプである成行注文指値注文メイカー指値注文について解説します。

成行注文

成行注文は、最もシンプルかつ即時に実行される注文タイプです。成行注文を実行すると、市場で利用可能な最良価格での資産の売買に同意することになります。注文は実行されると即座に約定し、トレーダーは現在の市場価格に基づきリクエストした数量を受け取ります。

成行注文の最大のメリットは、その速度となります。注文が即座に実行されるため、迅速な行動が求められるトレーダーにとって第一の選択肢となります。一方、そのトレードオフとして、値動きが激しい場合、最終的な約定価格が想定通りとはならない可能性があります。

指値注文

指値注文では、資産の購入希望価格または売却希望価格を指定できます。この場合、トレーダーが指値価格を指定し、市場価格が指定済みの価格またはより有利な価格に到達した場合にのみ注文が実行されます。

指値注文は、注文の実行を急いでおらず、市場価格が希望の価格に到達するのを待ちたい場合に便利なアプローチです。指値注文は価格条件が満たされるまで有効ではあるものの、市場の動きによっては注文の実行まで数分、数時間、数日を要する可能性もあります。

また、指値注文では、有効時間の指定(注文の有効期限)が必要になります。よくある選択肢は、以下の通りです。

  • グッド・ティル・キャンセル(GTC):注文がすべて約定するか手動でキャンセルされるまで有効となる注文。

  • イミディエート・オア・キャンセル(IOC):注文の全部または一部の即時実行を試行し、未約定部分がキャンセルされる注文。

  • フィル・オア・キル(FOK):即座かつ完全に約定できる場合にのみ実行され、該当しない場合はキャンセルされる注文。

メイカー指値注文

メイカー指値注文は、通常の指値注文とほぼ同様に機能するものの、「メイカー」注文(市場の流動性を吸収するのではなく、追加する注文)として必ず成立するように設計されています。ポストオンリー注文と呼ばれることもあるメイカー指値注文では、既存の注文に対して取引が即座に実行されるのを回避します。

メイカー指値注文は、取引価格を管理する一方で即時約定により発生する可能性のあるメイカー手数料 / テイカー手数料を回避したいユーザーにとって特に有用です。

取引出口戦略

取引出口戦略は、リスク管理と利益保護の面で重要となります。テイクプロフィット注文とストップロス注文など該当し、指定した価格でポジションを終了するために用いられます。

ストップロス注文

ストップロス注文は、市場価格が指定した価格に到達するとポジションが自動的に決済される注文です。これにより、トレーダーは相場が不利な方向に動いた場合の損失を制限できます。例えば、暗号資産を購入し、市場価格が指定したストップ価格まで下落した場合、損失を回避するためにストップロス注文が発動してポジションを売却するようにできます。

ストップロス注文は、固定価格またはトレーリングストップを指定して設定できます。トレーリングストップを指定した場合、相場がトレーダーのポジションに有利に動いた場合に自動的に調整されます。こうしたトレーリング(状況に合わせて追従すること)の仕組みにより、市場価格が上昇すると利益が確定されるものの、市場価格がトレーダーに対して不利に動いた場合、売り注文がトリガーされます。

テイクプロフィット注文

テイクプロフィット注文では、トレーダーは、市場価格が事前に指定した価格に到達した場合に利益を確定する注文です。価格の下落によりトリガーされるストップロス注文とは異なり、テイクプロフィット注文は、市場価格が利益を確定できる水準に到達した場合に発注されます。この注文タイプは、常に相場を注視せずとも利益を確定したいトレーダーにとって特に有用です。

テイクプロフィット注文をストップロス注文と組み合わせて1つの戦略にすることも可能であり、利益を確定したい価格と損失を制限したい価格の両方を設定できます。

条件付き注文タイプ

条件付き注文タイプは、特定の条件が満たされた場合にのみ注文が発注される、より高度な戦略です。こうした注文タイプには、ストップロスリミットテイクプロフィットリミットなどがあります。

ストップロスリミット注文

ストップロスリミット注文は、ストップロス注文と指値注文の機能を兼ね備えた注文です。ストップ価格に到達すると指値注文がトリガーされ、売却希望の指定価格を設定できます。この注文タイプは、変動の激しい相場における不利な価格での売り注文の実行の回避に役立ちます。

また、この注文タイプでは、トレーダーが許容できる価格を指定するため、単純なストップロス注文と比較して管理しやすくなります。これにより、不利な価格での売却可能性を軽減できます。

テイクプロフィットリミット注文

テイクプロフィットリミット注文は、ストップロスリミット注文と同様に機能します。事前に指定した価格に到達した場合に指値注文がトリガーされます。この注文タイプを使用すると、価格が一定の利益目標に到達した際に自動的にポジションを決済し、想定価格で取引を確実に終了できます。

高度な注文タイプ

より高度な取引戦略を求めるトレーダー向けに、連動型の注文タイプもご用意しています。これにより、取引管理における柔軟性の向上と自動化の推進につながります。

ワン・キャンセル・ジ・アザー(OCO)注文

OCO注文とは、2種類の注文を1種類にまとめたものです。最初の注文は指値注文またはテイクプロフィット注文として発注され、2番目の注文はストップロス注文として発注されます。どちらかの注文が実行されると、もう一方の注文は自動的にキャンセルされます。この戦略は、トレーダーが潜在的な損失を制限および利益を確定する注文を同時に出したい場合に役立ちます。

例えば、トレーダーはテイクプロフィット注文をより高い価格で設定し、ストップロス注文をより低い価格で設定できます。これにより、相場の変動に応じて、どちらか一方の注文のみがトリガーされるようにできます。

ワン・トリガー・ジ・アザー(OTO)注文

ワン・トリガー・ジ・アザー(OTO)注文では、トレーダーは2種類の注文を発注でき、2番目の注文は最初の注文が完全に実行された後にのみトリガーされます。この戦略は、特定の条件が満たされた後にのみ2番目の注文がトリガーされることを希望するトレーダーにとって有用となります。

例えば、トレーダーが資産を購入するために指値注文を発注した場合、指値注文が約定すると、保留中の売却注文がトリガーされます。

ワン・トリガー・ア・ワン・キャンセル・ジ・アザー(OTOCO)注文

OTOCO注文は、OTO注文とOCO注文両方の機能を組み合わせた注文です。最初の注文は実行中の注文として発注され、2番目の注文はOCO注文として連携された2つの保留中の注文から構成されます。この2つの保留中の注文は、最初の注文がすべて約定した場合にのみ実行されます。

この注文タイプは、複数の出口条件を必要とする複雑性の高い戦略(テイクプロフィット注文やストップロス注文など)を設定したいトレーダーにとって有用です。

まとめ

迅速に実行される成行注文から複雑性の高い連動型の戦略(OTOCOなど)に至るまで、各注文タイプの仕組みを理解することで、目的に合った手段を用いることができます。注文を正しく選択すれば、取引の自動化、リスクの軽減、全体的な結果の向上につながります。注文タイプをよりよく理解することで、市場に単純に反応するのではなく、取引結果に積極的に関われるようになります。

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