前述のとおり、EMAは指数関数的に直近の価格データに比重がかけられています。EMAはさまざまな時間軸に適用できる中、ここでは日足を各時間軸として設定して説明します。EMAは、以下の数式で計算されます:
10日間のEMAの計算例を取り上げます。前日のEMAが存在しない場合、最初にSMAを計算します。
1. まずSMAを計算。
1日目から10日目までのそれぞれの終値が50、57、58、53、55、49、56、54、63、64であると仮定します。
計算式は次のとおり:
SMA=(50+57+58+53+55+49+56+54+63+64)÷10=55.9
2. 乗数を決定。
乗数=2÷(10+1)=2÷11=0.1818
3. EMAを計算。
11日目の終値を60とします。EMAの計算式にまとめると、以下のようになります。
EMA=(60-55.9)×0.1818+55.9=56.64
暗号資産取引では、EMAは市場トレンド、反転の特定、またクロスオーバーシグナルとして利用されます。
EMAは、直近の価格データに比重をかけるテクニカル分析ツールで、市場トレンドをより敏感かつ正確に捉えます。暗号資産取引では、EMAはトレンド、反転タイミングの発見、およびクロスオーバーシグナルとして活用できます。ただし、他のテクニカル分析インジケーターと同様、正確性が保証されるものではありません。リスクを軽減するために、複数のテクニカル分析インジケーターと組み合わせて利用されることが多くなっています。
期間の異なる複数の移動平均線から構成される、テクニカル分析ツール。
価格データを滑らかな線で表示することでトレンドを特定しやすくするテクニカル分析ツール。
直近の価格変動に対して敏感に反応するテクニカル分析ツール。