概要
CryptoPunksは収集可能なクリプトアートの一部で、それらはEthereumブロックチェーン上のNFTで表されています。CryptoPunksでは、小さな8bitのPunkが10,000個あり、それぞれがユニークな機能を持っています。最初の有名なNFTプロジェクトの1つとして、多くのクリプトアーティストにインスピレーションを与え、さらにはデジタル・コレクティブルのためのERC721トークン規格の開発にも貢献しました。2021年には、CryptoPunksの一部が数百万ドルで販売され、最も高価なNFTの1つとなったことで、このプロジェクトは多くの人からの注目を集めました。
小さな正方形の中にピクセル化された小さな顔は、一見すると特別なものには見えません。いくつかはパイプをくわえています。また、帽子を被っているものもあります。さらに、見た目がエイリアンのものもあります。しかし、NFTに関しては見た目だけでは判断できません。
このおかしな姿のPunksを1つ持っているだけで、小さなアパートから豪邸まで何でも買えてしまうかもしれません。10,000個限定で販売されるこの8bitスタイルのCryptoPunksは、現在非常に需要の高いNFTのコレクションです。バトルやステーキングのみならず、何にも使うことができない、ごく普通の小さなアートにすぎません。また、CryptoPunksは、NFTプロジェクトの中でも最初に存在したプロジェクトの1つでもあります。
CryptoPunksは、Matt Hall氏とJohn Watkinson氏が設立したニューヨークのLarva Labsが考案したものです。このプロジェクトは、NFTとアートの価値に関する実験として2017年に始まり、最終的には今日、私たちが知っているクリプトアートを普及させることに貢献しました。
CryptoPunksは仮想通貨ですが、BitcoinやBNBとはまったく異なります。10,000個のPunkはすべて
Ethereumブロックチェーン上のユニークなNFTです。そのうちの3,840個は女性で、6,039個は男性です。また他にも少数ですが、猿、エイリアン、ゾンビなどがいます。
さまざまな属性が混ざり合うことで、10,000個の中の1つ1つが唯一無二の存在となります。
最初、Punkは無料で配布されました。入手するために必要だったのは、関連するEthereumのトランザクション手数料だけでした。
それ以降、一般的な
NFTのブームに合わせて、これらの作品の人気も急上昇しました。オークションハウスのChristie’sでは、推定金額が数百万ドルになるコレクションのオークションさえも開催されています。
このヘッドバンドを付けた、
淡い色のエイリアンPunkは2021年3月の販売時に、4,200ETH、約$7.58万で売れた、史上最高値のCryptoPunkです。2位は、同じ枚数のETH(販売時のドル建て価格で$7.57万ドル)で販売された
CryptoPunk #7804です。ドル建て価格の違いはETH価格の上昇によるものです。
プロジェクトのローンチ時点では、現在NFTに使用されている
ERC721トークン規格さえ存在していませんでした。Larva Labsはその時点では唯一のトークン規格だった
ERC20での発行に取り組まざるを得ませんでした。
その後、独自の方法でERC20のコードを修正し、非代替可能なアイテムを作ることに成功し、これはその後のERC721の開発のヒントになりました。
Etherscanでトークンを確認すると、最大発行枚数が10,000枚となっています。PunkはERC20で表示されますが、同一のトークンではありません。
各CryptoPunkの真正性は、その参照画像を
ハッシュ化し、トークンのコントラクトにある特定の画像ハッシュと比較することで判断できます。
画像はブロックチェーン上で保存するには容量が大きすぎるため、Larva Labsは10,000個のPunkが含まれている、
合成画像を1枚作成しました。これのハッシュがCryptoPunksのトークンコントラクトで表示されます。
しかし、自分の持っているpunkを知るためにはどうすれば良いでしょうか?そのために、それぞれのPunkのトークンには、合成画像内での位置を参照するメタデータが含まれています。例えば、CryptoPunkの7,804番は大きな合成画像の7,804番目のPunkを示します。
CryptoPunks自体のデザインに加えて、Larva LabsはCryptoPunksのウェブサイト上に独自のマーケットプレイスを作成しました。ここでユーザーはCryptoPunksの売買や入札を行います。このマーケットプレイスを活用するには、
MetaMaskをインストールし、接続する必要があります。
CryptoPunksは、Ethereum上の主要なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaにも進出しています。しかし、これらのピクセルPunkはオリジナルとは少し異なります。これらは、NFTマーケットプレイス上でトレードできるようにするために、ERC721トークンに
ラップされています。
ERC721のCryptoPunkは、元のERC20版に簡単にコンバートすることができます。ラッピングとアンラッピングのプロセスは
Wrapped PUNKSで、CryptoPunkを持っているMetaMaskウォレットを使用して、行うことができます。
NFTについては、もはやユニークとは言えませんが、かつてCryptoPunksは、ブロックチェーン上の純粋な芸術的価値の先駆者でした。ゲーミフィケーションの要素を持つ
CryptoKittiesとは異なり、個々のPunkはシンプルなイメージ画像に過ぎません。今でも、CryptoPunksに直接影響を受けたプロジェクト数の多さから、その人気の高さが伺えます。