ブロックチェーンの使用例:予測市場
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ブロックチェーンの使用例:予測市場

中級者
Published Feb 28, 2020Updated Apr 29, 2021
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はじめに

同じ文章の中でブロックチェーン市場という言葉が出てきた場合、間違いなく仮想通貨取引を促進する取引所のエコシステムについて考えます。しかし、ブロックチェーン技術は汎用性が高く、様々な種類の市場をブロックチェーン上に構築することができます。

金融資産には、物理的なオブジェクト(有形)とデジタルグッズ(無形)があります。しかし、種類に関係なく、価値保持の対象となる資産があれば、潜在的な市場が存在します。

この記事では、ブロックチェーン技術から利益を得る可能性が高い、特定の種類の市場、つまり予測市場について見ていきましょう。


予想市場とは?

予測市場は投機的な市場であり、参加者はオプションや仮想通貨ではなく、情報を取引します。具体的には、予測市場の投資家は将来の出来事の結果に賭けます。
これは、予想ができるどのようなイベントでも構いません(ブローカーがそれを上場する意思さえあれば)。イエスかノーで分かれた質問の例を挙げてみます。アメリカからヨーロッパへの列車の運行は2025年までに開始しますか?
ここには、実現するか否かの2つの可能性があります。列車が5年後までに運行開始しないことを確信している場合、ノーコントラクトを購入します。これらは、0ドルから1ドル間の価格設定になる可能性があります。 
列車が期限までに運行されない場合、ノーコントラクトは1ドルで換金可能となり、イエスコントラクトは無価値となります。実際に運用されていた場合、イエスコントラクトは1ドルの価値となり、ノーコントラクトは無価値となります。
一方、市場のセンチメントが変化したり、新たな情報が入手できるようになった場合、価格は変動します。上記の例では、期限が迫っている、大陸横断列車の技術開発が発展しなければ、ノーコントラクトの価格は上昇する可能性があり、大手企業がこの列車サービスを2024年に展開すると発表した場合、イエスントラクトの価格が上昇する可能性があります。

一般的な投機市場のように思えます。参加者は、時間の経過とともに価値が上がることを期待してコントラクトを購入します。しかし、予測市場は一般的な投機プラットフォームとは程遠いものです。正しく使用すれば、強力な予測手段となります。


なぜ予測市場は有用なのか?

賭けを行う際には、市場参加者は自分の意思決定に影響を与える何らかの知識を持っている可能性があります。通常のギャンブルとは異なり、特定の結果に影響する外部要因があります。

賢明な投資家がリサーチを行い、専門家が意見を述べます。インサイダー的な知識や、テーマに精通している人は、より価値が高いと感じるコントラクトに投資します。要するに、予測市場は情報のアグリゲーターとして役割を果たします。
大陸横断列車の例では、ノーコントラクトが0.90ドル、イエスコントラクトが0.10ドルで取引されている場合、コンセプトの成功に投資している人が、比較的少くないことを示しています。情報を保持している人は自分の知識を「報告」することに経済的なインセンティブを与えられているので、市場の集合的洞察力がデータに反映されています。
予測市場は、情報の収集と表現に優れています。予測市場は、少数の専門家にしか知られていないデータよりも、群衆の知恵の方が優位性を持っているという原則に基づいています。市場をリサーチすることで、ITから再生可能エネルギーに至るまで、様々な業界の利害関係者は、エコシステムなどに対する予想を理解することで利益を得ることができます。さらに、市場は情報をクラウドソーシングすることで、結果を正確に把握することができます。
予測市場は、未来志向として知られる民主主義の新しい形態の中核技術として機能するとさえ考えています。
私たちは、イエスノーのコントラクトも必要ありません。相互に排他的な結果を使用することができます。代表的な例には、大統領選挙があります。候補者Aと候補者Bが競合しているとします。ベッターは、候補者Aが勝つと信用している場合、候補者Aのコントラクトを購入し、そうでない場合は、候補者Bのコントラクトを購入することができます。



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予測市場とブロックチェーン技術

予測市場は非常に強力なツールかもしれませんが、分散化された場合、その価値命題は大きく強化されます。中央集権型プラットフォームは、地域規制や所有者が特定のコントラクトを掲載する、しないに関わらず、提供できるものが限られています。最終的には、ユーザーはプラットフォームの運営者を信頼し、サービスを利用するための追加料金を支払う必要があります。

従来の中央集権型モデルは、ブロックチェーン型アプローチによる分散型代替モデルに置き換えることができます。これに伴い、検閲耐性、仲介者の数の減少、アクセス性の向上など、多くの利点を提供することができます。


検閲耐性

既存の予測市場は通常、単一の当事者によって運営されています。これは、政府当局や悪意のある行為者などの組織が簡単にシャットダウンできることを意味します。しかし、分散型プラットフォームは、簡単には停止できません。

スマートコントラクトによって管理されている場合、単一障害点はもはや存在しません。ネットワーク上のすべてのノードがコードを実行します。コントラクトが特定の方法で構築された場合、ユーザーは市場を支えるプログラムを編集または削除することはできません。


不必要な仲介者

ブロックチェーンは管理者を必要としません。従来サードパーティーが行っていた作業は、自動化されたコードによって処理されるため、仲介者は必要ありません。また、ユーザーはスマートコントラクトと直接取引することで、第三者への手数料の支払いが不要になります(中央集権型プラットフォームに予想されるように)。また、ユーザーは誰かを信用する必要がないため、カウンターパーティーリスクが排除されます。


パーミッションレス

分散型予測市場では、世界中のユーザーが自由に賭けをしたり、利用のできるコントラクトを作成することができます。以前のプラットフォームを悩ませてきた地理的および規制上の制限は、問題でなくなる可能性があります。


ブロックチェーンオラクルの力

ブローカーや中央機関が存在しないため、どのようにして、満期時の結果を判断するのでしょうか?

ここでは、一種の“真実”を知るためのメカニズム(ブロックチェーンオラクル)が必要になります。私たちは、様々な結果を確実に教えてくれるデータソースを利用したいと考えています。これを実現するためには、いくつかの方法があります。 

最も簡単な方法は、サードパーティーのウェブサイトやフィードを利用することですが、これはブロックチェーンの利用が根本的に損なわれてしまいます。結局、第三者が結果をコントロールすることになり、自身の利益のために捏造するか、不正を企む者の標的になる可能性があります。

もう1つの選択肢は、イベントについて誠実な報告するようユーザーに金銭的インセンティブを与えることです。ステーキングカニズムを実装でき、ユーザーは報告するためトークンを投資する必要があります。正しく申告した場合、何らかの形で報酬を受け取ることができます。しかし、不正行為をした場合、権利を失うことになります。このモデルは、最初のブロックチェーン予測市場プラットフォームであるAugurによって紛争解決に使用されています。Gnosisは、ユーザーが中央集権型ソリューションと分散型ソリューションから選択できるようになっています。
予測市場でのブロックチェーンオラクルの使用は比較的新しいコンセプトです。黎明期の技術であるため、どのような形態のオラクルが、様々なタイプの予測市場に適しているかはまだ解明されていません。バイナンスリサーチは、この問題に関するレポートを発表しました。注目すべきは、予測市場の人気のある実装の1つにデザイン攻撃などの欠陥が特定されたことです。


まとめ

予測市場は、将来に賭けるエキサイティングなツールですが、様々なものについて信頼できる情報を収集するための洗練されたツールでもあります。個人が市場で知識を共有することに金銭的インセンティブを与えることで、社会、産業、政治の動向に対する洞察を得ることができます。

現状では、中央集権型プラットフォームの欠点が、予測市場本来のポテンシャルを発揮することを妨げています。しかし、分散化された代替手段によってそれは変わる可能性があります。より有能なオラクルが開発されれば、ブロックチェーン技術は改ざんされない公正なコードをホストできる可能性があります。