Web3ウォレットとは
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Web3ウォレットとは

Web3ウォレットとは

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公開済 Jan 16, 2024更新済 Mar 19, 2024
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概要

  • Web3ウォレットは、ブロックチェーンネットワーク上のアプリとのやり取り、そしてデジタル資産の管理におけるゲートウェイであり、分散型金融エコシステムを利用する際に必須となるツールです。

  • Web3ウォレットには様々な種類があります。非管理型(ノンカストディアル)ウォレットはユーザーに主体性を提供し、カストディアルウォレットは第三者による管理で利便性を提供します。スマートコントラクトウォレットは、高度な機能とセキュリティが強化されたプログラム可能な機能が内蔵されています。

  • 普及しているWeb3ウォレットの例には、MetaMask、バイナンスWeb3ウォレット、Trust Walletなどが挙げられます。

はじめに

Web3ウォレットは、暗号資産と分散型金融(DeFi)の領域で活動するユーザーにとっての必須ツールとして登場しました。このガイドでは、Web3ウォレットの基本的な概念とその種類、いくつかの具体例を紹介します。

Web3ウォレットとは

Web3ウォレットは、分散型金融での利用を目的としたデジタルウォレットです。ブロックチェーンネットワークや分散型アプリケーション(DApps)とやり取りのためのゲートウェイとして機能し、暗号資産、NFT、およびその他のデジタルトークンの安全な管理が実現します。

Web3ウォレットと暗号資産ウォレットの違い

この2つの用語はしばしば同義語として用いられる一方、すべての暗号資産ウォレットがDAppsやDeFiプラットフォームに対応しているわけではありません。Web3ウォレットと暗号資産ウォレットは、どちらも暗号資産の管理に使用される一方、Web3ウォレットはより多様なデジタル資産にも対応しています。

Web3ウォレットの仕組み

ほとんどのWeb3ウォレットは、ユーザー自身によるデジタル資産の直接管理が前提になっています。つまり、ユーザー自身がシードフレーズ秘密鍵の管理に責任を持つことになります。

通常、Web3ウォレットの新規作成時、12語または24語の一意のシードフレーズが生成されます。これにより、暗号資産ウォレットとその秘密鍵(トランザクションの署名と承認に使用)への完全なアクセスが可能になります。シードフレーズと秘密鍵は誰にも教えないでください。

Web3ウォレットの主な機能

ウォレットによって多少の違いはありますが、ほとんどのWeb3ウォレットには以下にあげる重要な機能が備わっています。

  • マルチアセットとマルチチェーンへの対応:暗号資産やNFTなど、さまざまなデジタル資産とブロックチェーンネットワークに対応しています。

  • スマートコントラクトとDeFiの相互運用性:スマートコントラクトとのシームレスなやり取りが実現し、DApps、分散型取引所、マーケットプレイス、その他のブロックチェーン上のアプリを利用できるようになります。

  • ピア・ツー・ピアトランザクション:中央管理機関によるサービスや仲介者を必要とせずに、デジタル資産を送受信できます。

  • セキュリティ:優れたWeb3ウォレットは、強固なセキュリティ機能を内蔵しており、シードフレーズと秘密鍵を潜在的な脅威から保護する暗号化技術を実装しています。また、悪意のあるウェブサイトやスマートコントラクトに対する通知や警告機能を内蔵しているウォレットもあります。

  • 匿名性:ほとんどのブロックチェーン取引は公開されているものの、ユーザーは機密データや個人情報を共有せずにWeb3ウォレットを作成できます。

管理型(カストディアル)と非管理型(ノンカストディアル)Web3ウォレット

1. 非管理型(ノンカストディアル)ウォレット

ノンカストディアルウォレットまたは自己管理型ウォレットでは、ユーザーが自分の資産を完全に管理できます。MetaMaskTrust Walletなどが、このタイプに該当します。ノンカストディアルのWeb3ウォレットは、秘密鍵とシードフレーズが非公開で安全に保たれている限り、ほとんどのトレーダーや投資家にとって最も安全な選択肢と考えられています。

2. 管理型(カストディアル)ウォレット

2. 管理型(カストディアル)ウォレットは、ユーザーに代わって第三者が秘密鍵を管理します。バイナンスアカウントにあるウォレットは、管理型(カストディアル)ウォレットの例です。管理型(カストディアル)ウォレットを利用は、管理が楽な反面、カストディアンに自己資産を預け入れる形になるため、信頼できる取引所を選ぶことが重要です。

Web3ウォレットの種類

Web3暗号ウォレットの分類には、いくつかの方法があります。このセクションでは、ハードウェア、ウェブ、デスクトップ、モバイル、紙、スマートコントラクトウォレットなど、最も一般的な種類を中心に取り上げます。ただし、これらの分類には重なり合う部分があります。例えば、MetaMaskなどのWeb3ウォレットは、ウェブウォレットとモバイルウォレットの両方で利用でき、TrezorやLedgerなどのハードウェアウォレットにも対応しています。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは、暗号資産の鍵をオフラインで保存する物理デバイス(コールドストレージ)であり、セキュリティがさらに強化されます。オンラインからの脅威に対してより安全である一方、他のウォレットと比較して、使い勝手とアクセスが若干難しいと感じる人もいるかもしれません。しかし、暗号資産を長期間に渡り保管したい、および大量に保有している場合は、ハードウェアウォレットが適していると言えます。

PINコードを設定することで、セキュリティを強化できます。ウォレットの紛失に備え、バックアップリカバリフレーズを作成できます。ハードウェア暗号資産ウォレットとしてよく知られているものに、TrezorとLedgerがあります。

ウェブウォレット

ウェブウォレットは、オンラインかつブラウザインターフェース経由で保有暗号資産にアクセスできるサービスです。現在、ほとんどのウェブウォレットはモバイルウォレットとしても利用できます。便利な反面、ウォレットをDeFiプラットフォームやDAppsに接続する際には注意が必要です。悪意のあるウェブサイトやスマートコントラクトに接続すると、資産が危険にさらされる可能性があります。

モバイルウォレット

モバイルウォレットはウェブウォレットと同様に動作するものの、スマートフォン専用に作られています。モバイルウォレットでは、QRコードを使用して暗号資産を送受信できます。また、携帯からDeFiやDAppsへのアクセスも簡単に行えます。

しかし、コンピューターと同様、モバイル端末も悪意のあるアプリやマルウェアの被害を受けやすいと言えます。携帯電話の紛失や故障に備え、パスワードを使って暗号化し、シードフレーズ(または秘密鍵)をバックアップするなど、モバイルウォレットの安全性を確保してください。

MetaMask、バイナンスWeb3ウォレット、Trust Wallet は、モバイル暗号資産ウォレットとしてよく知られています。それぞれについて、次のセクションで詳しく説明します。

スマートコントラクトウォレット

スマートコントラクトウォレットは、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによって管理されます。これらのウォレットは、プログラム可能なセルフカストディ(自己管理型)アカウントを設定でき、高度な機能を実装しています。従来のウォレットとは異なり、スマートコントラクトウォレットではユーザーによる取引ルール・条件の定義や投資管理の自動化が実現します。また、プログラム可能なロジックに基づいて、セキュリティを強化することも可能です。

スマートコントラクトウォレットの多くは、ブロックチェーン技術を活用することで、資金の分散管理およびDeFiアプリとの統合を可能にします。マルチシグ(複数の署名)要件、タイムロック(時間限定利用)、機能のアップグレードなどのセキュリティ機能が備わっており、暗号資産の管理や運用向けとして用途の広いツールになっています。

デスクトップウォレット

デスクトップウォレットは、Bitcoinが登場した初期にはより一般的でした。コンピューターにインストールされるアプリで暗号資産の秘密鍵を管理できるものです。セキュリティは、コンピューター環境に依存します。万が一の損失を防ぐために、ウォレットデータの定期的なバックアップが必要になります。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレットは、多くの場合推奨されておらず、時代遅れだと考えられています。ペーパーウォレットは、暗号資産のアドレスや秘密鍵を紙に印刷したり、メモして残すものです。オフラインで保管できるため、オンラインでのハッキングの心配はありませんが、物理的な損傷や紛失を防ぐには慎重な取り扱いと安全な保管が必要です。

Web3ウォレットの紹介

MetaMask

MetaMaskは、非管理型(ノンカストディアル)Web3ウォレットの中でも最も人気があるウォレットの1つであり、Ethereumの他、BNB Chain、Polygon、Avalanche、Arbitrumなど様々なEVM互換ブロックチェーンで利用できます。

MetaMaskでは、DAppsとのやり取り、デジタル資産の管理、トークンスワップを行えます。MetaMask側では秘密鍵が管理されないため、ユーザーの自主性が重んじられます。初心者から経験豊富なユーザーまで、安全でわかりやすいウォレットだと言えます。

バイナンスWeb3ウォレット

バイナンスWeb3ウォレットはバイナンスアプリに統合されたウォレットで、新規ユーザーと経験豊富なDeFiユーザーの両方を対象としています。マルチパーティコンピューティング(MPC)技術を活用し、秘密鍵は複数箇所に保管され、暗号資産のセキュリティが強化されます。ウォレットの秘密鍵は3つの「キーシェア」は、Web3ウォレット、クラウドストレージ、ユーザーの端末に分散されます。また、ユーザーだけが知っているリカバリパスワードによってさらに保護されます。この手法により、セキュリティが強化され、単一障害点のリスクが軽減されることになります。

Binance Web3ウォレットの特徴

  • 簡単なセットアップ:バイナンスアプリから、シードフレーズや秘密鍵を必要とせずに簡単に作成可能。

  • 利便性:バイナンスブリッジや他のサービスプロバイダーとシームレスに接続し、トークンの交換やDAppsの検索が手軽に実現。

  • セキュリティ対策:間違ったアドレスからの保護と悪意を持つ可能性のあるスマートコントラクトの識別、さらにマルチパーティコンピューティング(MPC)技術によるトランザクションの管理。

  • 自己管理(セルフカストディ):暗号化された3つの「キーシェア」と復元パスワードによる、資産の自己管理の実現。

  • カスタマーサポート:24時間365日のカスタマーサポートサービスにより、安全で快適な利用環境を提供。

Trust Wallet

Trust Walletもまた、広く支持されている管理型(ノンカストディアル)ウォレットの1つです。モバイル環境で快適に暗号資産を管理できます。Trust Walletは幅広いブロックチェーンに対応しており、資産の保管、DAppsの検索などDeFi上での活動に利用できます。使いやすくインターフェースと強力なセキュリティ機能が内蔵され、利便性と完全性確保の両方を求めるモバイルユーザーにとって理想的な選択肢となっています。

まとめ

Web3ウォレットは、分散型金融エコシステムを利用する際の必須ツールです。ブロックチェーンネットワークや分散型アプリ(DApps)を利用できます。MetaMask、バイナンスWeb3ウォレット、Trust Walletのいずれを選択しても、ユーザーにはシードフレーズと秘密鍵の機密を常に保ち、かつ安全に保管することが求められます。

参考文献


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