デッドクロス
デッドクロスは、下落相場の可能性を示すテクニカル分析の
パターンの1つです。このパターンは、短期の移動平均線(
MA)が長期の移動平均線を上から下に突き抜けた際に発生します。この2本の線の交差から、最近起こった価格下落が継続する可能性が高いこと、すなわち弱気の市場トレンドが読み取れます。
弱気のシグナルを示すデッドクロスから、
市場のモメンタムにおいて上昇相場から下落相場への転換する可能性があると判断できます。デッドクロスは、短期移動平均線(通常は50日)が長期移動平均線(通常は200日)を上から下に突き抜けた際にチャート上で発生します。
移動平均線とは、特定の期間における資産の平均価格を指します。50日移動平均線は過去50取引日の平均終値を示す一方、200日移動平均線は過去200取引日の平均終値を示します。
50日移動平均線が200日移動平均線を上から下に突き抜けた際、デッドクロスが発生します。この交差から、最近の値動きが長期的なトレンドと比較して弱く、価格下落が継続する可能性があると判断できます。
市場分析において
遅行指標としてみなされているデッドクロスは、今後の市場トレンドの予想よりも過去の値動きを反映するものとなっています。多くの場合、市場下落に続いて発生するデッドクロスは、下落相場の開始ではなく継続を示します。
歴史的に見て、デッドクロスは2008年や1929年などに起こった主要な市場低迷の前に発生しています。一方、市場が短期間の下落後に急速に回復した場合、デッドクロスが結果的に誤ったシグナルとなる可能性もあります。
トレーダーは、デッドクロスと他のインジケーターを組み合わせてそのシグナルの検証を行えます。例えば、相対力指数(
RSI)などの
取引量およびモメンタムインジケーターを併せて用いることで、デッドクロスが示す弱気の市場トレンドの強さを判断できる可能性があります。
デッドクロスは下落相場の可能性を示すテクニカル分析ツールの1つであり、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けた際に発生します。トレーダーはデッドクロスを他のインジケーターと併せて用いることで、そのシグナルの検証が可能となります。