概要
バイナンスアカウントや他の仮想通貨取引所、またはカストディアルウォレットに間違ったブロックチェーンで入金してしまった場合は、資産を取り戻すのはより難しくなります。この場合、ウォレットのサポートチームに連絡をして、対応できるかを確認してください。
はじめに
結論から言うと、送金先ウォレットが使用しているものと同じネットワークを選択する必要があります。技術的な話をすると、ERC-20、BEP-20やBEP-2のような、トークン規格に合うものを選択してください。
間違えたネットワークに資金を送ってしまいました。どうすれば良いでしょうか。
まずは落ち着きましょう。バイナンススマートチェーン(BSC)に(ETHのような)ERC-20トークンを送ってしまった場合、もしくはBEP-20トークンをEthereumネットワークで送金してしまった場合は、取り戻すことができるかもしれません。3つの場合分けが可能で、それぞれに独自の対応策があります。
1.BSCとEthereumの両方をサポートしているウォレットにトークンを送った場合
バイナンスの正しいネットワークにトークンを送り返すことができます。
2.BSC、もしくはEthereumのどちらかしかサポートしていないウォレットにトークンを送った場合
両方のネットワークをサポートしているウォレットにインポートするために秘密鍵にアクセスする必要があります。
3.仮想通貨取引所、もしくはカストディアルウォレットにトークンを送った場合
ウォレットプロバイダーか、取引所のカスタマーサービスに問い合わせをしましょう。ただ、この場合は資産を取り戻せない可能性があります。
ただ、こういった対応策に取り組む前に、将来同じようなトラブルを起こさないために何が起きたのかを理解しておくことが大切です。
BEP-20とERC-20の違いとは?
ERC-20とBEP-20は、トークンの技術ガイドラインと仕様を定めたトークン規格です。これらの規格がトランザクション、入金、出金のすべての方法を規定しています。ERC-20とBEP-20は、トークンが異なるウォレット、プロジェクト、スマートコントラクトとやりとりする方法を標準化しています。
この2つの規格は、仕組みは非常に似ていますが、ERC-20はEthereum専用で、BEP-20はバイナンススマートチェーン専用です。簡単に説明すると、それぞれが別々のブロックチェーンに属するトークン規格ということです。
BEP-20/ERC-20トークンを間違ったブロックチェーンに送ってしまった場合、どうなるのでしょうか。
ERC-20トークンをBSC、もしくはBEP-20トークンをEthereumに送った場合、選択されたネットワークの同じウォレットアドレスにそのトークンは着金するでしょう。あなたのBSCとEthereumウォレットアドレスは同一で、同じ秘密鍵でアクセスすることができます。
ただ、仮想通貨の特性上この通貨が消えることはないです。やらないといけないことは、正しいブロックチェーンに送り返すだけです。お客様の状況に合わせて、以下のようなソリューションをご用意しています。
BSCとEthereumをサポートするウォレットからのリカバリー
両方のブロックチェーンをサポートしているウォレットの場合は、トークンを見つけるのに一切問題はないでしょう。仮想通貨を見つけることができない場合は、それぞれのネットワークのト-クンのトグルリストを確認してください。
例えば、MetaMaskには、[Add Token(トークンを追加)]ボタンがあるので、そこから利用可能なコインすべてを確認することができます。
バイナンスブリッジ
手動でコンバート
この記事では、Binance-Peg ETH(BEP20)をERC-20 ETHに戻すのを例に説明していきます。送ろうとしているウォレットにガス手数料用のBNBがあることを確認してください。
これで、あなたの仮想通貨は、正しいブロックチェーンで、外部ウォレットに送金されます。
BSC、もしくはEthereumのどちらかしかサポートしていないウォレットからのリカバリー
この場合トークンを取り戻すには、両方のブロックチェーンをサポートする新しいウォレットに秘密鍵をインポートする必要があります。インポートするウォレット次第では、秘密鍵の代わりに、シードフレーズを使用することができるかもしれません。
秘密鍵のインポート
別のウォレットに秘密鍵をインポートすると、違うウォレットを使用している場合であっても、その秘密鍵に関連する資産にアクセスできるようになります。
つまり、ウォレットの秘密鍵をインポートしても、インポート先のウォレットに資金が送られることはありません。ただ、違うアプリから、外部ウォレットにアクセスできるようにするだけです。カストディアルウォレットでは、秘密鍵が提供されないため、基本的にこの方法で対応することはできないので、注意してください。
この記事では、MetaMaskのGoogle Chromeエクステンションを使用して、間違ってBSCに送金されたETHを取り戻す場合で説明します。
資金の回収
1.MetaMaskにアクセスするか、持っていない場合は新しく1つウォレットをMetaMaskで作成してください。MetaMaskはiOSとAndroidの両方で利用可能です。
3.すでにアカウントを持っている場合は、単純にMetaMaskエクステンションピンをクリックし、右上のアカウントプロフィールをクリックするだけです。
4.[Import Account]をクリックし、間違って仮想通貨を送ってしまったウォレットの秘密鍵を入力してください。[Import]をクリックしてください。JSONファイルを持っている場合はアップロードすることもできます。
5.次に、MetaMaskアカウントに手動でBSCネットワークを追加する必要があります。MetaMaskエクステンションピンをクリックし、右上にあるネットワークのドロップダウンメニューをクリックしてください。リストの一番下にある[Custom RPC]をクリックしてください。
6.MetaMaskがバイナンススマートチェーンにアクセスできるようにするには、詳細を追加する必要があります。追加する詳細にはリモートプロシージャコール(RPC)URLが含まれています。このURLによって、MetaMaskはBSCのブロックチェーンから情報をクエリしたり、トランザクションリクエストを作ったりできるようになります。
以下の情報を対応するフィールドに入力し、一番下にある[Save]をクリックしてください。
8.次のステップの準備のためにトークンコントラクトをコピーし、桁数フィールドの数字を記録してください。
9.[BSC Mainnet]をネットワークドロップダウンリストから選択し、次に[Add Token]をクリックし、最後に[Custom Token]をクリックしてください。
10.トークンコントラクトアドレス、トークンシンボル、そして小数点以下の桁数を入力してください。ETHの場合は以下のようになります。
11.これで、ウォレット残高に誤送金したETHトークンが表示されるはずです。そうしたら、トークンをバイナンスアカウントのBEP-20ウォレットアドレスに送り返すことができます。また、バイナンスブリッジを使うことで、MetaMaskでトークンをERC-20にコンバートすることもできます。
取引所、もしくはカストディアルウォレットからのリカバリー
他の仮想通貨取引所など、BEP-20に対応していないカストディアンウォレットに出金してしまった場合は、ウォレットのカストディアンホルダーに連絡する必要があります。
一部のカストディアルウォレットプロバイダーは有料でサポートしたり、あなたの秘密鍵にアクセスできるようにしてくれたりします。秘密鍵にアクセスできたら、BSCをサポートいているウォレットに秘密鍵をインポートしてください。ただ、残念ながら取引所を含む、大半のプロバイダーはあなたに秘密鍵を提供しないでしょう。
バイナンスアカウントに間違えたブロックチェーンを選択して、トークンを入金してしまった場合は、バイナンスはその仮想通貨をリカバリーすることはできません。