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ペッグ制通貨

ペッグ制通貨

初心者

ペッグ制通貨とは

外国為替市場において価格変動率が高い通貨を保有していると仮定します。この場合、同通貨の価値が別の通貨、コモディティ、通貨バスケットの価値と密接に連動することが好ましいとみなされます。この点こそ、ペッグ制通貨の本質となります。

ペッグ制通貨は、その価値を安定させるため、より安定性の高い資産と連動しています。政府または金融機関は、過剰な通貨の変動を抑えるためにペッグ制を導入することで、通貨の価格を予測しやすくしています。

ペッグ制通貨の仕組み

ペッグ制通貨のペッグの仕組みについて、以下で掘り下げていきます。中央銀行または金融機関は通常、通貨の価格が適性価格から大幅に乖離した場合に介入を実施します。

ここでは、ある通貨が米ドルにペッグされているとします。同通貨の価格が下落し始めると、中央銀行が介入を実施し、米ドルと引き換えに同通貨を売買してその価格を元に戻そうとする場合があります。こうした措置は、通貨が適性価格から大幅に乖離しないようにするためのセーフティーネットであると言えます。

ペッグ制通貨の一般的な種類

ペッグ制通貨には、複数の種類があります。以下に、各ペッグ制通貨の種類に関する詳細を挙げていきます。

1. 固定相場制:最も単純なペッグ制の種類となります。固定相場制の通貨の価格は、米ドルやユーロなどの別の1種類の外国通貨に固定されています。頻繁に対外貿易を行う国では、このアプローチを取ることが多くなっています。
2. クローリング・ペッグ制:変動型のペッグ制となります。同通貨の価格は、相場変動や連動する外国通貨価格に応じて、長期間小刻みに調整されます。
3. 通貨バスケット制:このペッグ制では、単一の通貨の代わりに自国通貨を複数の外国通貨をミックスしたバスケットに入れ、同バスケット全体を1つの通貨とみなします。このペッグ制では、リスクを分散するとともに1つの通貨への過度な依存を回避できます。

ブロックチェーンと暗号資産市場におけるペッグ制通貨

価値の安定のためにペッグ通貨の概念が導入された暗号資産の一種として、ステーブルコインが挙げられます。同コインは、法定通貨(米ドルなど)やコモディティ(金など)の安定資産とのペッグにより、価格変動の影響を極力抑えるように設計されています。

ステーブルコイン

ステーブルコインは、法定通貨や金または原油などの資産とのペッグにより、価格の安定を維持できるように設計された暗号資産です。こうした安定性は、従来型の法定通貨に両替せずにボラティリティから回避できる方法を望む暗号資産投資家およびトレーダーにとってのソリューションとなります。

適切に設計されたステーブルコインは、ブロックチェーンネットワーク上における固定収益、価格変動の回避、価値移転を実現するための信頼性の高い方法となり得ます。

アルゴリズム型ステーブルコイン

以上に加え、実験段階のステーブルコインとして、アルゴリズム型ステーブルコインも存在します。物理的な準備金との裏付けを行う代わりに、同ステーブルコインではスマートコントラクトおよびアルゴリズムの採用により、その価値を適性価値に近づけます。これは優れた考え方ではあるものの、準備金に裏付けられたステーブルコインと比較すると価格予測が難しくなる可能性があります。また、アルゴリズム型ステーブルコインのペッグが外れることで多額の損失が発生したケースがこれまで多く存在しています。