EIP
EIPは、Ethereum Improvement Proposalの略で、「イーサリアム改善提案」を意味します。ブロックチェーンのアップグレードや新しいアイデアについて、イーサリアムコミュニティによる提案がこのEIPです。変更内容、必要性、その機能を説明する設計図のようなものとなっています。これらの提案の変更内容と必要性が全員によって共有、理解されることで、イーサリアムの成長と普及が促進されます。
EIPに基づき、開発者とユーザーが協力しあってイーサリアムの改善に貢献しています。これにより、変更内容が綿密に計画され、コミュニティ内での合意を保証し、システムのセキュリティと効率性が維持されます。技術的な問題の修正であれ、新しい機能の追加であれ、EIPは
イーサリアムを時代に合った状態に保つ役割をはたしています。
EIPの主な種類を紹介します。最も一般的なものには、次のものが挙げられます。
Core(コア):トランザクション処理方法の更新やハードフォークといった大規模なアップグレードなど、イーサリアムプロトコルの変更に焦点を当てています。
Networking(ネットワーキング):イーサリアムクライアントの通信方法を取り扱い、円滑な運用を確保します。
Interface(インターフェース):イーサリアムネットワーク上でユーザーとアプリがどのようにやり取りするかに焦点を当てています。
ERC(Ethereum Request for Comment):トークンなどの規格です。例えば、
ERC-20は、代替性トークン作成向けの取り決め(
トークン規格)となっています。
EIPは以下の手順で進められます。
Draft(草案):アイデアを文書化し、コミュニティからのフィードバックを求めます。
Review(レビュー):コミュニティによって議論され、修正や変更が提案されます。
Approval(承認):承認されれば、EIPは完成し、利用可能となります。
Implementation(実装):多くの場合、計画されたアップデート作業に追加され、イーサリアムに組み込まれます。
大きな影響を与えたEIPには以下のようなものがあります。
イーサリアムPectraアップグレード
イーサリアムの改善に貢献するEIPのもう一つの例に、イーサリアムPectraアップグレードが挙げられます。ステーキングをより効率的にするEIP-7251や、ウォレットに新機能を追加する
EIP-7702など、いくつかのEIPの改善提案を合わせたものです。EIPプロセスにより、Pectraなどのアップグレードがしっかりと組織され、コミュニティからの協力を得られることになります。
EIPは、イーサリアムが革新的であり続け、成長し続けるあり方そのものといえます。EIPは、ブロックチェーンをより便利でセキュア、かつ将来にわたって信頼できるものにするために、ブロックチェーンの形成にコミュニティ内の誰もが関与できるようにしています。開発者にとっても、単にイーサリアムの仕組みに興味を持つユーザーにとっても、EIPはイーサリアムの重要な要素を占めています。