EIP

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暗号資産分野でのEIPとは?

EIPは、Ethereum Improvement Proposalの略で、「イーサリアム改善提案」を意味します。ブロックチェーンのアップグレードや新しいアイデアについて、イーサリアムコミュニティによる提案がこのEIPです。変更内容、必要性、その機能を説明する設計図のようなものとなっています。これらの提案の変更内容と必要性が全員によって共有、理解されることで、イーサリアムの成長と普及が促進されます。

EIPの重要性

EIPに基づき、開発者とユーザーが協力しあってイーサリアムの改善に貢献しています。これにより、変更内容が綿密に計画され、コミュニティ内での合意を保証し、システムのセキュリティと効率性が維持されます。技術的な問題の修正であれ、新しい機能の追加であれ、EIPはイーサリアムを時代に合った状態に保つ役割をはたしています。

EIPの種類

EIPの主な種類を紹介します。最も一般的なものには、次のものが挙げられます。

  1. Core(コア):トランザクション処理方法の更新やハードフォークといった大規模なアップグレードなど、イーサリアムプロトコルの変更に焦点を当てています。
  2. Networking(ネットワーキング):イーサリアムクライアントの通信方法を取り扱い、円滑な運用を確保します。
  3. Interface(インターフェース):イーサリアムネットワーク上でユーザーとアプリがどのようにやり取りするかに焦点を当てています。
  4. ERC(Ethereum Request for Comment):トークンなどの規格です。例えば、ERC-20は、代替性トークン作成向けの取り決め(トークン規格)となっています。

EIPの仕組み

EIPは以下の手順で進められます。

  1. Draft(草案):アイデアを文書化し、コミュニティからのフィードバックを求めます。
  2. Review(レビュー):コミュニティによって議論され、修正や変更が提案されます。
  3. Approval(承認):承認されれば、EIPは完成し、利用可能となります。
  4. Implementation(実装):多くの場合、計画されたアップデート作業に追加され、イーサリアムに組み込まれます。

代表的なEIP例

大きな影響を与えたEIPには以下のようなものがあります。

  • EIP-1559:手数料の仕組みを変更してトランザクションをより予測可能なものとし、手数料の一部をバーンしてイーサリアムの供給量を削減。
  • ERC-721:アートやコレクターアイテムなどのユニークなデジタルアイテムである、NFT(非代替トークン)の規格を制定。
  • EIP-4844カンクン・アップグレードの一部で、プロト・ダンクシャーディングとも呼ばれるEIP。ブロブ・キャリング・トランザクションを導入し、イーサリアムのスケーラビリティを向上さ。これにより、より多くのデータを低コストで処理でき、ダンシャーディングなどの将来へのアップグレードへの準備ともなっている。

イーサリアムPectraアップグレード

イーサリアムの改善に貢献するEIPのもう一つの例に、イーサリアムPectraアップグレードが挙げられます。ステーキングをより効率的にするEIP-7251や、ウォレットに新機能を追加するEIP-7702など、いくつかのEIPの改善提案を合わせたものです。EIPプロセスにより、Pectraなどのアップグレードがしっかりと組織され、コミュニティからの協力を得られることになります。

まとめ

EIPは、イーサリアムが革新的であり続け、成長し続けるあり方そのものといえます。EIPは、ブロックチェーンをより便利でセキュア、かつ将来にわたって信頼できるものにするために、ブロックチェーンの形成にコミュニティ内の誰もが関与できるようにしています。開発者にとっても、単にイーサリアムの仕組みに興味を持つユーザーにとっても、EIPはイーサリアムの重要な要素を占めています。

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