Delegated Proof of Stakeの説明
Delegated Proof of Stake (DPoS)コンセンサスアルゴリズムは多くの人から、以前のPoSメカニズムと比べて、より効率的で、民主的なバージョンと考えられています。
PoS、DPoSどちらもProof of Workコンセンサスアルゴリズムが大量に外部のリソースを使う設定となっているため、その代替として使われています。Proof of Workアルゴリズムは改竄不可能で、分散型で、透明性のある元帳をセキュアにするために大量の計算能力を使用します。その反対で、PoSとDPoSが要求するリソースは少なく、その設計はより持続可能、かつ環境に優しいです。DPoSがどのように機能するかを理解するためには、まずPoWとPoSの基本について理解する必要があります。
Proof of Work (PoW)
分散型元帳上で稼働する大半の仮想通貨システムはブロックチェーンと呼ばれ、Proof of Workは初めて使用されたコンセンサスアルゴリズムです。PoWはBitcoinプロトコルのコアコンポーネントとして実装され、マイニングプロセス、つまり新しいブロックの発行を通じて、ネットワークを安全に維持する役割を果たしています。 Bitcoinは中央集権で、非効率的な既存のグローバル金融システムの代替として提案されました。PoWは中央集権的な機関なしで金銭の移転を可能とする実行可能なコンセンサスプロトコルを導入しました。PoWはリアルタイムの分散型決済とP2Pエコノミックネットワークを提供し、仲介人を不要都市、取引の全体的なコストを削減しました。
他の種類のノードとともに、Proof of Workシステムはマイニングノードのネットワークによって維持されています。マイニングノードは、特殊なハードウェア(ASIC)を利用して複雑な計算問題を解決しようとします。平均的に、新しいブロックは10分毎に発行されます。そのブロックのための解を見つけたときにのみ、そのマイナーはブロックチェーンに新しいブロックを追加できます。言い換えると、マイナーはProof of Workを完了した後にしかブロックを追加できず、追加できた場合は新しく発行されたコインとそのブロックの取引手数料全てが報酬としてマイナーに与えられます。それにも関わらず、大量の電力が必要で、ブロックを発行できない場合もあるためコストが膨大になります。さらに、ASICハードウェアはかなり高額です。
システムを維持する努力を超えて、PoWシステムがどこまで適用できるのかと言う問題があります。特に、TPSがかなり制限されているため、スケーラビリティが問題となっています。しかしながら、PoWブロックチェーンは最も安全で、信頼できると考えられており、フォールトトレラントなソリューションのスタンダードであり続けます。
Proof of Stake (PoS)
Proof of StakeコンセンサスアルゴリズムはProof of Workの代替として最も使われているものです。PoSシステムは、PoWベースのブロックチェーンで一般的に発生する非効率性と新しい課題を解決するように設計されています。特に、PoWマイニングにおける電力とハードウェアに関連するコストに対応しています。基本的に、Proof of Stakeブロックチェーンは決定論的な方法で安全を保障しています。これらのシステムにはマイニングがなく、新しいブロックの検証はステークしているコインの枚数によります。より多くのコインをステーキングしたら、ブロックのバリデーター(ミンタ―やフォージャーとも呼ばれます。)に選ばれる可能性が高くなります。
PoWシステムは外部からの投資である電力やハードウェアによって稼働しますが、Proof of Stakeブロックチェーンは内部投資(その通貨そのもの)を通じて、安全性を確保しています。
さらに、PoSシステムはブロックチェーンを攻撃するコストをより高めています、なぜなら、攻撃を成功させるには既に発行されているコインの最低でも51%を保有する必要があるからです。攻撃が失敗したら、資産的な損失は巨額になります。PoSを支持する利点と説得力のある議論にもかかわらず、PoSを使ったシステムはまだ初期段階にあり、まだ大規模な環境でのテストは行われていません。
Delegated Proof of Stake (DPoS)
Delegated Proof of Stake (DPoS)コンセンサスアルゴリズムはDaniel Larimerによって2014年に開発されました。Bitshares、Steem、ArkそしてLiskがDPoSコンセンサスアルゴリズムを使っている仮想通貨プロジェクトの例です。
DPoSベースのブロックチェーンはステークホルダーがサードパーティーに彼らの作業をアウトソースするための投票システムが備わっています。言い換えると、ステークホルダーの代わりにネットワークを安全にしてくれるデリゲートに対して投票することができます。デリゲートは証人とも呼ばれ、新しいブロックの作成および検証中に合意を達成する責任があります。投票数はユーザーが保有しているコイン枚数に比例します。この投票システムはプロジェクト毎に異なりますが、一般的にそれぞれのデリゲートは投票してもらうためにそれぞれ提案を公開します。通常、デリゲートが集めた報酬はそれぞれの投票者の投票数に比例して分配されます。
それゆえ、DPoSアルゴリズムはデリゲートの評判に直接依存している投票システムを生み出します。もしも、選ばれたノードが不正や効率的に働かなかった場合、すぐに追放され、別の候補者に置き換えられます。
性能に関しては、DPoSブロックチェーンはよりスケーラブルで、1秒当たりに処理できるトランザクション数はPoWやPoSと比べても多いです。
DPoS vs PoS
PoSとDPoSがステークホールディングという観点では似ていますが、DPoSは投票によって、ブロック発行者が選出される、新しい民主的投票システムが導入されています。DPoSシステムは投票者によって維持されているため、デリゲートは誠実に効率的に作業を行わないと、選出されなくなるため、正しく作業を行うモチベーションがあります。さらに、DPoSブロックチェーンはPoSよりも1秒当たりのトランザクションに関してはより多く処理できる傾向にあります。
DPoS vs PoW
PoSはPoWの欠点を解決しようとしており、DPoSはブロック発行プロセスを合理的にしようとしています。このため、DPoSシステムは素早く大量のブロックチェーン上のトランザクションを処理することができます。現在、DPoSはPoWやPoSと同じ方法では使われていません。PoWはまだ最も安全なコンセンサスアルゴリズムと考えられていて、そのため、最も多くの資金の移動が行われています。PoSはPoWよりも早く、より多くのユースケースが考えられています。DPoSはステーキングの用途をブロック発行者の選挙に制限しています。実際のブロック発行は、マイナーによる競争ベースのPoWシステムとは対照的に予め誰が発行できるかは決まっています。全ての証人は順番にブロックを発行します。DPoSは、Proof of Authorityシステムと考えるべきだと主張する人もいます。
結論
DPoSはPoWとは全く違うコンセンサスアルゴリズムでPoSとも違っています。ステークホルダーによる投票を組み込むことで、誠実で効率的なデリゲート(または証人)を決定し、彼らが正しく作業を行うモチベーションとしても選挙が機能します。しかしながら、実際のブロック発行はPoSシステムと大きく違っていて、たいていの場合、1秒当たりに処理できるトランザクション数に関してはより高い性能となります。