ドットプロット

ドットプロットの概要

ドットプロットとは、各データポイントを線上のドット（点）として表示するシンプルな形式のチャートです。同チャートは、クラスター、ギャップ、注目すべき場所を見つけるのに最適となっています。点を連続して配置するドットプロットにより、特定の値の出現頻度がよくわかるようになり、特に利用可能なデータが少ない場合に有用です。

ドットプロットの仕組み

ドットプロットは通常、値またはカテゴリーの目盛りとなる線、ならびに各データポイントの位置を示すドットの2つの要素から構成されています。各ドットは、データポイントが対応する場所を示しています。ドットプロットはシンプルかつ直感的であるため、データセットが小さい場合に役立ちます。データセットが大きい場合には、ドットの数が多くなりすぎ見づらくなります。

ドットプロットの種類

ドットプロットは、大きく分けて2種類あります。

• クリーブランド・ドットプロット：一般的なバーチャートとは異なり、クリーブランド・ドットプロットでは、バーの長さではなく位置を使用します。同チャートは、異なるカテゴリ間における値を比較する場合に役立ちます。

• ウィルキンソン・ドットプロット：同チャートはヒストグラムに類似するものの、データポイントをグループ化する代わりにそのすべての値を表示します。ウィルキンソン・ドットプロットは、一意のデータポイントすべてを表示したい場合に役立ちます。

FRBが金利見通しのまとめに用いるドットプロット

FRBの総合的な見解を足がかりにし、今後の経済の方向性に関するヒントを得られるため、投資家、トレーダー、アナリスト、政策立案者はFRBのドットプロットに注目しています。

以下は、2024年9月発行の経済見通し（Summary of Economic Projections、SEP）の要約から抜粋したFRBのドットプロットの一例です。FOMC参加者が評価する今後の金融政策での適切な金利を示しています。

FRBのドットプロットが重要な理由

FRBのドットプロットは、金利変動に関する「プレビュー」とみなされており、これが金融・消費者セクター両方の意思決定に影響を与え得ます。このため、暗号資産市場を含む金融市場が同ドットプロットにより大きな影響を受ける可能性があります。

ドットのクラスターが一定の位置に固まっている場合、FRBメンバーの多くがその水準に金利がおちつくと予測していることを示しています。こうした予測は新しい経済データや外部イベントに応じて変動する可能性があるものの、一般的なトレンドとして捉えるべき重要な情報となっています。

まとめると、ドットの位置への注目により、今後の利上げまたは利下げに関するヒントを得ることができます。また、各ドットにはFOMCメンバーの見解が反映されている一方、その中央値はFOMC全体のコンセンサスを示すものとなっています。

FRBのドットプロットを今後の金融政策に関するロードマップとして捉えるべきではないものの、次の一手に備えるために有用となります。

まとめ

ドットプロットは、データの視覚化により把握しやすいデータに変換できるシンプルかつ強力なツールです。FRBのドットプロットはこの基本的なツールを金利予測に応用したものであり、投資家と世間一般に対して経済の見通しに関するヒントを提供します。同チャートは、絶対的に確実なものではないものの、今後の金融政策に関する洞察を得るのに役立ちます。