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Offline Signing Orchestrator (OSO)
Offline Signing Orchestrator (OSO)
2023年12月、IBMはコールドストレージに保管されるデジタル資産の安全性を大幅に向上させる技術としてOffline Signing Orchestrator(OSO)を発表しました。コールドストレージをデジタル貴重品の金庫とするなら、OSOは保護レイヤーとして安全性を強化するものです。
デジタル資産を保管するにあたり、人為的ミスや悪意ある行為からの保護が難題になります。OSOでは、デジタル資産を取り扱う際の手作業による操作を最小限に抑えることで、この問題に対処します。デジタル通貨の分野では、ちょっとしたミスや不正アクセスが大規模な問題(そして金銭的損失)につながる可能性があり、とても重要な対策となります。
1. エアギャップセキュリティ:OSOはシステム全体をインターネットから隔離し、サイバー攻撃に対して強力な障壁を作ります。つまり、オンライン上の脅威からデジタル資産が保護され、より強固な防御システムが構築されます。
2. セキュリティ対策の強化:OSOは、マルチパーティ承認、時間ベースのセキュリティ、自動署名などの革新的な機能を導入しています。マルチパーティ承認により、複数の人がトランザクションを承認する必要があるため、不正アクセスが一層困難になります。時間ベースのセキュリティでは、特定の時間にのみトランザクションが許可されるため、攻撃のリスクが軽減されます。自動署名により、オンライン接続が不要になり、手続きがより安全で効率的になります。
3. Metacoとの協業:OSOは、デジタル資産の機関投資家向けカストディサービスを提供するMetacoのHarmonizeプラットフォームと連携しています。この提携により、トランザクション管理の合理化、詳細な監査証跡が得られることで規制要件を満たすこととなりシステム全体の効率性と透明性の向上が実現します。
暗号資産セキュリティの分野において、IBMのOSO技術は技術進展における重要な節目と言えます。コールドストレージ内のデジタル資産の安全性を高め、金融機関やその他の認可事業者が暗号資産への投資により積極的になる可能性があります。OSOにより、サイバー攻撃や人為的ミスのリスクが最小限に抑えられ、暗号資産エコシステムの信頼性と透明性が高まります。OSOは、デジタル資産にとってより安全で信頼できる未来に向けた一歩と言えます。